外国人のための人材派遣などを行うR&G(アールアンドジー)は、全国の男女500人を対象に、「旅行中なのにスマホばかりいじり続ける人」に関するアンケート調査を行った。それによると、じつに6割以上の人がそうした人との旅行を経験していて、その場合に楽しさが減ると答えた人は8割以上にのぼった。
同行者がスマホばかり見ているときの気持ちは、もっとも多かったのが「退屈なのかと不安になる」だった。一緒に楽しもうと思って旅行に出たのに、相手がスマホばかり見ていると、自分といるのがつまらないのか、何かで怒らせてしまったか、などと不安になるという。
以下、「気分が下がる」、「イライラする」などとネガティブな印象が続く。「何も思わない」という人が75人いたが、旅先の情報を調べていたり、旅行の写真を投稿しているのならオーケーという人、何か必要があってのことと思うので気にしないという寛大な人もいたが、さすがにゲームをしていたり、話しかけても返事がないとなると話は別だろう。
さて、そうした輩にはどう対処するかを尋ねると、1位は「何もしない」だった。ただし、1〜2時間は我慢する、イライラするがケンカになるほうがイヤという条件付きだ。旅の楽しい気分を壊さないよう、限界まで我慢するということだ。
2位は「注意する」。「夫ならイラッとした感じで言い、友だちなら明るくやんわりと言う」という意見があった。楽しい雰囲気を壊さないよう言い方に気をつける必要がありそうだ。
3位は「スマホから気をそらす」。「景色がきれいだよ」などと相手に話しかけたりしてスマホから気持ちを引き離させる。注意するより、こちらのストレスが少なくて済む方法だ。
4位は「質問する」。「何を調べてるの?」と聞くということだ。5位は「自分もスマホを使う」。相手と同じ行動をとって、相手に不快感をわからせるという作戦だ。6位は「ひとりで楽しむ」。ひとり旅だと思ってあきらめるということ。そして7位は「二度と一緒に行かない」。今回は我慢するが、二度と誘わないという厳しい決断。普段のお付き合いまで考え直すという人もいた。かなり深刻な問題になっていることを、本人は気づいていない。
いちばん避けたいのは楽しい旅行を台なしにしてしまうことだが、自分だけ我慢するのも面白くない。もし旅行の同行者がスマホ人間だったら、このなかから自分に合ったものを選んで行動するといいだろう。
この調査の監修を担当した臨床心理士の松島雅美氏は、「スマホばかり見ていると視野が狭くなり、同行者の気持ちに気づかず、長時間見ているつもりがなくても不快にさせてしまうことがあります」と話す。人には「情動伝染」のメカニズムがあり、不快を我慢すると相手に伝わってしまうということだ。伝わってほしいと思いたくもなるが、それではケンカになる。松島氏は、旅行前に特別な時間を共有しようと確認しあい、スマホを使うときは一言ことわるなどの配慮が大切だと提言している。
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