食&酒

2024.11.10 16:00

「モエ・エ・シャンドン」が誕生させた初のブリュット・ナチュール:美酒のある風景

「COLLECTION IMPERIALE CREATION No. 1」

Forbes JAPAN本誌で連載中の『美酒のある風景』。今回は11月号(9月25日発売)より、「コレクション アンペリアル クリエイション No.1」。7つの傑出したヴィンテージをブレンド し、8年間もの長きに渡ってセラーで熟成させた1本だ。


年間約3000万本を生産し、世界で最も多く飲まれているシャンパーニュとして知られている「モエ・エ・シャンドン」。創業は1743年にさかのぼり、創業者の孫であるジャン・レミー・モエは、ポンパドゥール侯爵夫人、タレーラン、ロシア皇帝アレキサンドル1世などと親交を深めることで市場の拡大に成功した。特に親しかったナポレオン1世に敬意を表して皇帝(IMPERIALE)と名付けたシャンパーニュ「モエ アンペリアル」は、今に続く「モエ・エ・シャンドン」のアイコンとなっている。
 
そのメゾン創業280周年を記念して発表されたのが「コレクション アンぺリアル」。2043年に迎える300周年を見据えて、順次新しいシャンパーニュを発表していき、「コレクション アンぺリアル」のポートフォリオを充実させていく予定だという。

さて、その最初のリリースとなる「コレクション アンペリアル クリエイション No.1」は、7つの傑出したヴィンテージをブレンドし、8年間もの長きに渡ってセラーで熟成。価格帯としても同社の傘下である「ドン ぺリニヨン」と比肩するプレスティージ・キュヴェである。

「『モエ・エ・シャンドン』といえば世界のスパークリングワイン市場のトップランナーであり、明るい昼間の太陽と、色気のあるナイトシーンのどちらにも似合う、安定感のあるシャンパーニュです。一方で、この『コレクション アンぺリアル』は複数年のベースワインを絶妙なバランスでアッサンブラージュしているため、多層的な魅力があるのが魅力。またブリュット・ナチュールという手法が時流にも乗っており、いろいろなスタイルで楽しめそうです」

そう語るのは「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」(東京・六本木)でソムリエを務める大川大輔。ブリュット・ナチュールとは、ノン・ドザージュとも称される製法で、仕上げに甘いリキュールを加えない、つまり辛口のシャンパーニュだが、最近のヘルシー指向のなかでおおいに注目されているシャンパーニュのトレンドなのである。
 
しかしながら「モエ・エ・シャンドン」がブリュット・ナチュールをリリースするのは意外にも初めて。もっとも、流行りのスタイルだからブリュット・ナチュールにしたというわけではなく、アッサンブラージュの際にあまりに完成度が高かったため甘味を加える必要を感じなかった、とは最高醸造責任者であるブノワ・ゴエズの弁である。さて、真偽のほどは? 実際に飲んで確認してみなくてはなるまい。

コレクション アンペリアル クリエイション No.1


容量|750ml
アッサンブラージュ|2013年、12年、10年、08年、06年、04年、00年のベースワイン
価 格|33000円
問い合わせ|アジオ 03-5217-977

今宵の一杯はここで

ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション

ロブションのエスプリ薫るモダンフレンチ
「フルコースからアラカルトまで 多様に楽しめるのが“ラトリエ”らしさ です」と大川氏。

「フルコースからアラカルトまで 多様に楽しめるのが“ラトリエ”らしさ です」と大川氏。

かのジョエル・ロブションが鮨屋のカウンターから発想を得てデザインしたというオープンキッチンとロングカウンターが中央に設えられ、赤と黒のドラマティックなインテリアに心躍るモダンフレンチ。
サマートリュフ とウズラの半熟卵をあしらった「タル トフランベ」4200円

サマートリュフ とウズラの半熟卵をあしらった「タル トフランベ」4200円

レストラン脇にはパティスリー&ブランジェリーも併設されているため手土産の調達にも事欠かず、ビジネスディナーから友人との気の置けない会食まで、幅の広いオケージョンで頼りになる。

ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション
東京都港区六本木6-10-1
六本木ヒルズ ヒルサイド 2F
電話/03-5772-7500
営業時間/12:00~16:00(LO14:30)・
18:00~22:00(LO20:30)
休/なし

写真=菅野祐二 文・構成=秋山 都

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