ちなみに、会社員だった期間が長い人ほど収入が減った割合が大きくなる。1年未満から2年ほどの人は、収入が減った人と増えた人の割合は半々程度だが、3年以上となると減った人が多くなり、10年以上となるとほぼ6割りが減収になっている。勤続年数が長く、それなりに給与をもらっていた人は、相当の覚悟が必要ということだ。この調査の対象者は8割以上が会社員歴3年以上の人たちだった。そこそこいいお給料をもらう地位にありながら「もう宮仕えはイヤだ!」と独立を決める人が多いことが推測できる。
そんなわけもあってか、独立して後悔したことの第1位はダントツで「経済的に不安定」となった。病気で休んでも保障はないし、クライアントの都合で簡単に切られるし、収入が不安定になることは独立前から覚悟していたはずだ。しかし、経費は自分持ち、請求書を出してから入金まで数カ月かかるなど、「そんなはずじゃなかった」みたいな問題は、実際に仕事を始めてからポロポロと出てくる。
後悔したことの2位は、確定申告などの事務作業が面倒くさいというもの。そうした作業には意外に時間が取られるし、仕事時間をそれに充てればギャラが減るという厳しい現実が待っている。3位は仕事のオンオフが切り替えにくいというもの。自宅で仕事をしていると、ついダラダラやってしまうか、反対に仕事の区切りがつかずに疲れ切ってしまう。それはフリーランスを続けるうちにペースが掴めてくるので大きな問題とは言えない。
深刻なのは第4位の「低価格案件しかない」だ。フリーランスは足元を見られがち。業種にもよるが、軽く見られて使い捨てにされるというボヤキが自由意見にも見られた。