影響力が特に大きいにもかかわらず、あまり論じられない意思決定の一つに、パートナーが関心や愛情を求めるちょっとした働きかけをしてきたときに、どう反応するかというものがある。
人間関係学者のジョン・ゴットマンとジュリー・ゴットマン夫妻は、こうした行動を「つながりを求めるビッド(試み)」と呼ぶ。それは、パートナーの片方が「相手は自分を見てくれている」「支えてくれている」「つながっている」と感じたいときの、ささやかな素振りであり、何気ない一言や、ちらりと向けられる視線、気軽な頼みごとなど、本当にちょっとしたことだったりする。
忙しい日々に紛れてしまう場合もあるが、このような瞬間はたびたび訪れる。一つ一つに重要な意味が隠されているのに、たやすく見逃されがちなサインだ。
感情的な反応をめぐるマイクロ・ディシジョン
2011年に学術誌Journal of Personality and Social Psychologyに発表された研究論文によると、2人の関係の質は、パートナーが自分に反応を示してくれるという信念、すなわち、パートナーが自分のアイデンティティーのさまざまな側面を本当に理解し、尊重し、支えてくれている、という認識に影響される。あなたはパートナーの感情的なニーズ、つながりを求めるビッドに気づき、理解し、反応できるだろうか。こうしたビッドには、パートナーがインターネットミームを共有しようとしたり、とあるニュースを話題したり、夕食の献立について意見を求めてきたりすることが含まれる。
その時あなたは、パートナーの世界に向き合い関心を示すのか、それともその瞬間を受け止めることなく無視してしまうのかという重大な選択を迫られている。そこでどう反応するかは、親密さや感情的な安心感に影響を及ぼし、2人の関係の軌道を大きく変える可能性がある。