NASAは現在、最新の無人探査機ドラゴンフライの打ち上げ準備を進めている。ドラゴンフライはゴルフカートほどの大きさのロータークラフト(回転翼機)で、8枚の回転翼を用いてタイタンの表面を離着陸移動しながらデータを収集する。
NASAによると、2028年7月に打ち上げ予定のドラゴンフライは、2034年のタイタン到着を目指す。科学運用が開始されると、タイタン表面にある数十カ所の有望な調査地点まで飛行して移動する。調査では特に、タイタンと生命発生以前の初期地球の両方に共通する前生物的な化学反応過程を探す予定だと、NASAは述べている。
タイタンの大気は厚くて濃密で、離陸して飛行するには完璧な環境だと、ニクソンは指摘する。ドラゴンフライは、離陸して数km飛行し、着陸して新たにデータを測定するという調査を繰り返し行う予定だという。
ドラゴンフライは、生命自体を検出する機能は備えていないが、核酸塩基は検出できるだろう。
ニクソンによると、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)や他の望遠鏡では、大気中に漂っている顕著に高濃度の核酸塩基分子を発見できないかもしれない。だが、ドラゴンフライは確かにタイタン表面で核酸塩基を検出する機能を搭載しているという。
結論
ニクソンによると、タイタンの化学種がどのくらいの規模になっているかについては、まだわかっていない。この有機化学が、どこにつながるのか、いわゆる「生命の前駆物質」や前生物化学につながるのかどうかを解明することが、今後の研究課題だと、ニクソンは話した。(forbes.com 原文)