欧州

2024.11.03 10:00

北朝鮮兵に不吉な兆候 ロ軍偵察部隊、クルスク州で無謀な突撃命じられ半数失う

生き残った斥候兵たちは不服従をちらつかせている。代表して語っている斥候兵は「われわれはこれ以上この大隊で働きたくありません」と訴え、「大砲の餌にはなりません」とも述べている。

ロシア側には数個連隊規模の北朝鮮部隊という援軍が来ている。だが、ロシアの海軍歩兵たちが失敗している場所で北朝鮮の兵士たちが成功するのかは見通せない。米シンクタンク、戦争研究所(ISW)のレポートによるとロシア軍が北朝鮮兵30人あたり1人程度の通訳しかつけていないのは、北朝鮮部隊にとって不吉な兆候だ。

ロシア軍の指揮官は北朝鮮の小隊と緊密に連携するつもりなどないのかもしれない。単純で大雑把な命令を下し、うまくいけばいいという姿勢かもしれない。そして、こうしたぞんざいな指揮統制こそ、第382海軍歩兵大隊の斥候兵6人がウクライナ軍の防塁に対する無意味な直接攻撃で「存在しなくなった」理由だ。大勢の北朝鮮兵が同じ運命をたどることになるかもしれない。

ISWは、北朝鮮は自国の軍人に戦闘経験を積ませたい考えなのだろうと推測している。もしそうなら、クルスク州に展開している北朝鮮部隊にとって、この戦争とは本質的には非常に危険な訓練演習ということになる。その危険には言うまでもなく、まさに第382海軍歩兵大隊の斥候兵たちが経験したようなものも含まれる。指揮官が冷酷か無知か、あるいはその両方であり、またそうした非情な将校が下す愚かな命令に従えば無駄死にしかねないという危険だ。

ISWは「もしロシア軍司令部が北朝鮮の人員を『大砲の餌』のように使い、一部の北朝鮮部隊が受けている専門的な訓練を活用しない方針なのだとすれば、北朝鮮部隊は確実に損耗が進むだろうし、その結果、何であれ北朝鮮が戦場で学ぼうとしていることは蓄積されにくくなっていくだろう」と述べている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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