「スコープ・クリープ」を察知する
「スコープ・クリープ」とは、終わりの見えないToDoリストのようなもので、フリーランスの文脈で言えば、クライアントから追加の成果物、終わりの見えない会議、追加修正などを要求されることで、当初の設定よりも要件がどんどん膨らんでしまうことを指す言葉だ。最初は無害に思えるかもしれないが、これをそのままにしておくと、いつの間にか、報酬に見合わない仕事を延々とこなさなければならなくなる。柔軟性はフリーランサーの味方だが、追加料金を請求せずにイエスと答え続けていると、あなたのストレスレベルは急上昇してしまう。あなたのクライアントはおそらく無料で仕事を依頼しようとしているわけではない。おそらく、プロジェクトを過小評価していたり、綿密な計画を立てていなかったりするのが原因だろう。これは、フリーランスとの仕事にまだ慣れていないクライアントには特によくあることだ。社内のチームで微調整を重ねながらプロジェクトを進めることに慣れていて、一方でフリーランスとの仕事ではそれが大きな問題であることに気づいていないのかもしれない。しかし、意図的であろうとなかろうと、スコープ・クリープは現実に存在する。
そのプロジェクトで自分が期待されていることや業務の範囲を最初から明確にしておこう。そして、その変更にはそれに見合った報酬が発生することをクライアントに伝えよう。このような会話は前もって行っておくほうが、物事ははるかにスムーズに進むだろう。当初の合意を超えて物事が進み始めたら、それに警告を発し、「変更注文」を提案する。クライアントの新たな要求に対応するために、報酬額に手直しを加える必要があることを説明する。これは、追加のタスクとコストを概説した簡単なメールで構わないが、新しい仕事を始める前に書面で承認を得ることが重要だ。そうすることで、明確かつプロフェッショナルなやり方で物事を進めることができ、余分な労力に見合った報酬を得ることができる。