飲食店向けのアバター接客サービスを展開するアバターダイニングラボ(ADL)は、ワタミ、配膳ロボットの輸入販売を行うDFA Roboticsと共同で、11月1日から29日までの約1カ月間、神奈川県横浜市の居酒屋「旨唐揚げと居酒メシ ミライザカ」にて完全リモートのホールスタッフによる営業の実証実験を行う。
すでに7月の1カ月間、同店で第1回目の実験を実施しているが、客からは「アバターとの会話が楽しかった」、「まるで店員さんが目の前にいるような感覚だった」と好評だったことに加え、アバター1人で約20のテーブルの接客が可能であること、客単価が約3パーセント向上することが確認できた。今回の実験の目的は、アバターによる個々の客に合わせた丁寧な接客、配膳ロボットによる既存スタッフの負担軽減とサービスの効率化、時間や場所に縛られない働き方、多様な働き方を求める人材の活用を検証することにある。
ADLは、アバター接客の研究を重ねてきたサントリーホールディングスの未来事業開発部とアバター接客サービスの開発を行うAVITAが、さらなるアバター接客サービス導入店の拡大を目指して共同出資により設立した企業だ。ADLはすでに飲食店向けのアバターサービスを展開していて、渋谷のスペイン坂にある「アタバーパブリックスナック」では各テーブルに配置されたディスプレイでアバターが接客を行っている。また宮崎県宮崎市の「スナック HARAN」では、岩倉ひとみママといっしょにタブレットに搭載されたアバターしずくが客を楽しませている。
今回の実験では、そんな人気者のアバターが配膳ロボットに搭載されて店内を自由に動き回るため、アバターがそこで働いている姿がより人間的に感じられそうだ。テーブルのタブレットをタッチして注文をする昨今の飲食店のスタイルは、人間性を犠牲にしたテクノロジーによる効率化の象徴のようで味気ない。入店してあのタブレットに目に入るとディストピア感覚に襲われるが、それは最終形ではなかった。次なる段階は血の通ったアバターロボットとの会話による人間味あふれる接客と知り、ほっと一安心。
実験実施店は「旨唐揚げと居酒メシ ミライザカ」JR横浜西口店。11月29日まで。水曜はアバターは休みとなるが、店は通常営業している。
プレスリリース