3. 「誠実」と「親切」が生み出す結果の違い
健全で持続的な関係では、両者が互いに尊敬され、感謝されていると感じることが重要だ。この尊敬は、一貫してお互いに誠実であることから生まれる。これは完璧であることを意味するのではなく、自分の過ちを認め、誠実に謝罪し、責任感を持って行動することを意味する。尊敬を育むためには、自分の行動に責任を持つことが重要だ。たとえば、パートナーの感情を傷つけてしまった場合、軽く謝って済ませるのではなく、真剣に謝罪することが求められる。自分の行動を認めて責任を取ることは、パートナーに対する尊敬の表れであり、相互の信頼を深めることに繋がる。カリナ・シューマン(ピッツバーグ大学)の研究でも、許しが関係における重要なプロセスであり、それが否定的な感情を解放し、尊敬と信頼の強化に繋がることが示されている。
一方、親切であることは、時に片方のパートナーが他方を喜ばせるために過度に自己犠牲をすることに繋がりがちだ。一方が常に他方の幸福を優先し、自分のニーズを犠牲にすることで、感情的な燃え尽きや憤りが生まれるリスクがある。このような犠牲的な態度は、真のつながりと尊敬を損ない、自己犠牲的なパートナーが無視されたり感謝されていないと感じる原因になることがある。
誠実であることは、自分のニーズや限界を尊重し、同時にパートナーのそれも尊重することだ。健全な関係にはバランスが必要であり、両者が互いに支え合い、自尊心を持つことが重要だ。このバランスがあってこそ、尊敬が育まれ、関係は持続的に成長することができる。
4. 「誠実」と「親切」が促す成長の違い
誠実なパートナーは、お互いの成長を促すためにサポートや建設的なフィードバック、エンパワーメントを提供する。彼らは、関係の中で個人の成長を大切にし、それが関係全体の強化につながることを理解している。誠実であることは、単に表面的な心地よさを維持するのではなく、パートナーの目標、夢、そして困難に真摯に向き合うことを意味する。たとえば、パートナーが新たな目標に挑戦しようとしていたり、キャリアを変えようと考えている場合、現実的な視点を持って支援し、どのようにサポートできるかを一緒に考えることで、真のサポートを提供することができる。
一方、親切であることは、快適さを優先するあまり挑戦を避け、成長の機会を逃すことがある。親切なパートナーは常に安心感を与えることを求めるが、誠実なパートナーは、時にはお互いを快適ゾーンから押し出し、真に意味のある変化を促すことが重要だと理解している。このようなサポートは、互いの成長を促し、共に学び、発展していくことで関係をダイナミックに保つことに繋がる。
だから、次に「親切なこと」を言うか「誠実なこと」を言うかを選ぶ際には覚えておいてほしい。真に誠実である勇気こそが、持続的な幸福と深い関係につながる鍵なのだ。
(forbes.com 原文)