時間を奪うクライアントについて考慮し忘れる
私たちはみな、意図せずして時間を大量に浪費するようなクライアントと付き合ったことがある。彼らは変な時間にメッセージを送ってきたり、リアルタイムの返信を求めたりするだけでなく、スコープ・クリープ(プロジェクトの当初の目標や範囲を超えて、要件や機能が追加されたり、変更されたりして、徐々に拡大していく現象)は単なるプロセスの一部だと考えているようだ。彼らと仕事をすると、最初は「急ぎの修正依頼」という友好的な依頼から始まり、何度も修正を繰り返すうちに、いつの間にか何時間も無報酬の労働力を費やしてしまうことが多々ある。報酬額を設定することは、単に価格を設定することだけでなく、必要以上に時間をかけるクライアントに関わる隠れたコストを理解することでもある。多くのフリーランサーはここでつまずく。成果物のみに基づいて時給やプロジェクト料金を設定する一方で、追加のミーティングやフィードバック、急な修正など、潜在的な要素を考慮することを忘れてしまうのだ。
これに対処するには、最初から戦略的に料金を設定することだ。タイムトラッキング・ツールを使って時間の使い道を可視化し、過剰なコミュニケーションのような非生産的なタスクにどれだけの時間が費やされているかを明らかにする。しかし、ツールを導入するだけでは十分ではない。コミュニケーション、修正、営業時間外での対応について明確な条件を設定し、早めに境界線を引く。そうすることで、スコープ・クリープを抑制し、報酬額と労働量との適切なバランスを保つことができる。
「平均的な報酬額」に基づいて報酬を決める
フリーランサーが陥る最大の罠の1つは、価格で競合に勝負しようとすることである。特に、競合がもっと生活費の安いところで仕事をしている場合はなおさらだ。彼らは底値で仕事をする余裕があるが、だからといってあなたがそうすべきとは限らない。そうではなく、報酬額はあなたが各プロジェクトにもたらす品質と価値を反映したものだと考えるべきである。クライアントは、あなたの専門性、クオリティの安定性、アウトプットを求めてあなたと仕事をするのであって、単に低いコストだけを求めているわけではない。あなたが彼らの期待に応え、あるいは期待以上の結果を出し続けるのであれば、多くのクライアントは喜んであなたに適切な報酬を支払うだろう。
あなたのビジネスにおける目標や経済的ニーズを考慮し、クオリティの高い仕事を提供するために必要な報酬ラインについて考えよう。自分の料金を他人の「平均」に合わせてしまうと、知らず知らずのうちに自分を過小評価してしまう危険性がある。さらに悪いことに、経費はカバーできても、本当の意味で自活できるだけの収入が得られない可能性もある。確かに、低い報酬額を設定することは仕事を獲得するのに役立つかもしれないが、それだけでは、フリーランサーとして成長し、立場を維持し、成功につながるビジネスを構築することはできないだろう。大きく考え、それに見合った報酬額を求めよう。