ロシア軍は今週、ドネツク州の要塞都市ポクロウシク市周辺のウクライナ側防御を支えていた都市のひとつ、セリドベ市の大半を制圧した。また、ポクロウシクの南東40kmほどに位置するドネツク市から西へ向かう軸でも前進を加速させており、ウクライナ軍をクラホベ市からの撤退に追い込む可能性がある。その場合、ウクライナ軍は近くのボウチャ川に架かる橋を爆破し、その後方で態勢を立て直すことになりそうだ。
As I have pointed out last month and that time is approaching with Kurakhove about to fall in the coming weeks Ukraine must destroy the road and rail bridge/dams over the Vovcha River. Destroying these two bridges/dams in Kurakhove will hinder Russian logistics in the subsequent… https://t.co/m1rhhfjUt3 pic.twitter.com/ejrs4OWMXy
— Intelschizo (@Schizointel) October 29, 2024
2022年2月にロシアがウクライナに対する戦争を拡大する前、およそ3万5000人が暮らしていたトレツクで、ウクライナ軍が数区画を取り戻した方法は、この戦争の戦場のありようをよく物語っている。端的に言えば、そこでは戦闘と同じくらい建物の破壊が行われている。
10月上旬、衛星画像やドローン(無人機)映像、前線部隊の投稿動画などをつぶさに観察している人たちは、トレツク中心部で異変が起こっていることに気づいた。トレツク中心部ではそれまで数週間にわたり、ウクライナ軍の旅団とロシア軍の連隊が血で血を洗う激しい市街戦を繰り広げ、膠着状態が続いていた。
あるOSINT(オープンソース・インテリジェンス)アナリストは、トレツク中心部の高層住宅地区に陣取るロシア軍部隊に対するウクライナ軍の攻撃に、あるパターンがあることを発見した。
ウクライナ側はまず、ドローンなどでロシア側の陣地を爆撃する。その間、近接戦闘が行われている形跡もある。これは爆撃に続いて歩兵部隊が突撃していることを示す。歩兵の突撃後、爆撃はやむ。おそらく、ウクライナ側がその陣地にいたロシア軍部隊を排除したのだろう。
ウクライナ軍参謀本部直属の第101独立参謀本部警護旅団が10月上旬に編集・公開した動画は、こうした反撃の初期段階の様子を映しているようだ。動画の中では、自爆ドローンが集合住宅の出入り口や屋内、屋上などに潜むロシア兵を攻撃している。あるドローンは、ロシア軍歩兵が局所的な反撃に失敗したあと撤退するところも捉えている。
Footage of fierce fighting in Toretsk from the 4th Battalion of the 101st Guard Brigade of the General Staff of the Ukrainian Armed Forces. It shows how much blood the Russians have to pay for any attempts to advance. Ukrainian drones remotely locate Russian soldiers on the… pic.twitter.com/bDewxeoM2O
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) October 11, 2024