息子は自分でパスポートを携帯したいと強く主張していたので、私は「いいだろう。責任というものを教えるよい機会になる」と考えた。
しかし、私は時期を見誤った。当時11歳だった息子はエールフランスの機内にパスポートを置き忘れてしまったのだ。そしてもちろん、私たち家族は一度飛行機から降りてしまうと、再び機内に戻ることはできなかった。
パスポートの紛失は重大な問題
米国務省によると、パスポートの紛失は大きな問題となっているという。毎年30万人を超える米国人のパスポートが紛失したり盗難されたりしている。ちなみに日本では、外務省によると、2023年に紛失・盗難にあった一般旅券の件数は3万1659件。そのうち8割以上が日本国内における紛失・盗難の件数だという。「パスポートの安全は最優先事項です」と、レッドポイント旅行保険会社で広報を担当するレイモンド・ヨークは語る。
なぜなら、パスポートがなければ国境を越えることができないからだ。パスポートのような重要書類を保管する最適な場所は自宅の金庫だが、それではパスポートの目的が果たせない。パスポートは携帯する必要があり、なおかつ安全に保管しなければならないのだ。だが、どうすればいいのだろう?