Forbes BrandVoice!! とは BrandVoiceは、企業や団体のコンテンツマーケティングを行うForbes JAPANの企画広告です。

2024.11.20 11:00

サーキュラーエコノミーと脱酸素経営に貢献する「IT機器のリユース」

ハードウェアのリユース事業を行うゲットイット主催によるセミナー「Next サステナブルビジネス戦略」では、「脱炭素経営の次なる一手 ~環境貢献と事業の共生モデルを探る~」と題してパネルディスカッションを実施。

京都大学大学院 経済学研究科 教授の諸富徹、NTTデータ グループコーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進部 グリーンイノベーション推進室長の山根知樹、ゲットイット代表取締役の廣田優輝が脱炭素社会に向けたIT機器のあり方について語り合った。その模様の一部をお届けする。


企業経営にとって今やITインフラは不可欠だ。しかし一方で、IT機器は産業廃棄物として、日々処分され続けている−−。それを阻止するリユース事業を行うのがゲットイットだ。同社が掲げているのは、コンピュータが持続可能な形で社会を豊かにする道具になる「Sustainable Computing®(サステナブルコンピューティング®)」の実現だ。

そのサービスは、企業の情報機器資源の適切な処理から、ROI(投資収益率)を考慮した事業戦略としての「ITAD(IT資産の適正処理)」のサポートにまで及ぶ。 

そんな同社が主催するセミナー「Next サステナブルビジネス戦略 脱炭素経営の次なる一手~環境貢献と事業の共生モデルを探る~」が10月18日、オンラインで開催された。京都大学大学院 経済学研究科 教授の諸富徹が「成長戦略としての脱炭素~日本の経済成長への道筋」と題して講演し、続いてNTTデータ グループコーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進部 グリーンイノベーション推進室長の山根知樹が「NTTデータがIT業界から描くサステナビリティ戦略」について講演した。その後、ふたりにゲットイット代表取締役の廣田優輝が加わり、「脱炭素経営の次なる一手 ~環境貢献と事業の共生モデルを探る~」と題したパネルディスカッションを行った。

機器の廃棄から脱却する「循環型ITソリューション」

諸富徹(以下、諸富):現在の日本の炭素税の税率は、CO2排出量1トンあたり289円。海外では1万3,000円を超える国もあり、国際水準とは相当な隔たりがあります。しかし、日本でも2028年に炭素賦課金の導入が予定され、徐々に金額が上昇していく見込みなので、長期を見据えて今から戦略を変えていくことが必要です。自分たちで使用している電力や燃料をどう削減するかを考え、カーボンプライシングのある世界における最適経営を構想することが重要です。
京都大学大学院 経済学研究科 教授 諸富徹

諸富徹 京都大学大学院 経済学研究科 教授 

山根知樹(以下、山根):IT分野に関して言えば、環境価値を投資判断に生かしていくことが必要です。例えばハードウェアを調達するとき、これまでは初期費用とランニング費用しか見ませんでしたが、電力コストなどの環境価値を加味して機器を選ぶことは、身近にできることではないかと思います。脱炭素は効果がなかなか見えないので、製品をつくる工程で排出されるCO2や設備の運用において使われる電力を見える化して、数値化することが大事。私たちはそうしたソリューションも提供しています。

廣田優輝(以下、廣田):私たちは、企業が使い終わったIT機器を買い取り、適切にデータを消去し、再整備して次のユーザーに販売しています。機器を売却することでコスト削減につながりますし、資源を循環させることで環境負荷を低減することにもつながります。当社は年間4万台越えのサーバーをリユースしており、日本国内における新品サーバー出荷台数の一割相当を担っています。

山根:当社は過去からパソコンのリサイクルを実施していましたが、パソコン環境を仮想環境であるシンクライアントからセキュアファット端末に移行した段階において、データの漏洩が不安だったため、一律物理的に機器を壊していました。それだと環境によくないため、今では少しでも環境負荷の少ないリユースを進めようと、社内で適切にセキュリティルールを守るための手順を整備し、リユースも進めているところです。

プロジェクトごとに業者に頼むと現場の負担になってしまうので、購買部門が中心となって推進します。ITAD業者との直接のやり取りは社内のBPO部署が担い、現場は機器を引き渡すだけにするというようにプロセスを簡素化して、全社的に進めていきたいと考えています。
NTTデータ グループコーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進部 グリーンイノベーション推進室長 山根知樹

山根知樹 NTTデータ グループコーポレート統括本部 サステナビリティ経営推進部 グリーンイノベーション推進室長 

廣田:日本ITAD協会の調べによると、企業が使っているIT機器のうちリサイクル・リユースされるのは10%ほどで、残りは廃棄処分です。ただ昨今、サーキュラーエコノミーに対する意識が高まっているので、企業でももっと活用できる方法があるのではないかと見直しが始まっていると感じています。

諸富:パソコンは、古くなると効率性が低下するのでしょうか。

廣田:効率性が下がることはありませんが、新しい機器のほうが高効率です。

山根:用途に合わせた利用をするべきです。毎日使用する機器の性能が遅いと、仕事の生産性が落ちてしまいますが、運用作業のなかであまり性能を求めないところには、リユース品を使う。その使い分けが重要です。

廣田:私たちは、メーカーのサポート期間が過ぎたIT機器を使い続けたいと希望される企業のために延長保守をしたり、使い終わったIT機器をリユースし、どこでリサイクルされたのかをトラッキングして企業にお伝えしたりといった取り組みをしています。IT機器が安全に長く有効活用さるように「循環型ITソリューション」を提供しています。

諸富:「ソリューション」という言葉がキーワードだと思います。単にモノをまわすだけでなく、資源を再利用することでCO2やエネルギーの削減にもつながるし、どのタイミングで機器を切り替えるか、あるいは使い続けるべきかといった判断も重要になるでしょう。

それには情報が必要であり、再利用する機器の使用状況や流通をモニタリングすることが機器の最適な利用や交換タイミングを顧客に知らせ、費用節約や省エネなどソリューションにつながります。モノを売るだけの物質的なビジネスから、ソリューションを提供する非物質的なビジネスに移ってきていると感じます。米国発のIT革命は、最初はパソコンやスマホといった機器自体の開発・販売が中心だったのが、徐々にそれを使ったサービスへと競争は移行していきました。循環型ITソリューションも、そうした方向へ向かっていくのでしょう。

廣田:おっしゃる通りです。一方で、企業が使い終わってスペックを満たさない機器に関しては、パーツをおもに国内でリサイクルしています。日本は資源が少ないので、一度輸入したのであれば、リユースして次の使い方につなげていく。それも私たちの使命だと考えています。

諸富:それは経済安全保障につながります。

山根:諸富先生はご講演のなかで、自然資本、人的資本、インフラなどの社会資本がそれぞれ経済活動を追求しすぎて環境が壊れてしまったとおっしゃっていました。お話を伺いながら、私たちが社会資本コストを使って経済活動していることを改めて考えさせられました。それに気づかずに、浪費や消費をしていた−−。これは世界の持続性に関わる問題だと、私たちはようやく気づいたのだと思います。1社でできることは限られているので、ぜひ皆さんと一緒に考えていきたいです。

廣田:私は、経済的な成長と環境負荷の削減を両立していくことが大切だということを改めて認識しました。それを可視化などで支援する大企業の取り組みが徐々に始まっていることを、非常に心強く思いました。私たちはIT機器をリユースするという立場ですが、それぞれの企業にとって必要なソリューションを提供できると思いますので、お客さま一人ひとりに寄り添いながら事業を進めていきたいです。
ゲットイット代表取締役 廣田優輝

廣田優輝 ゲットイット代表取締役 

国際標準のデータ消去で安心のリユースを提供

ゲットイットを設立した01年当時と比べると、IT機器のリユースやリサイクルは格段に広がった。しかし、まだまだだと廣田は言う。思うようにリユースが進まないのは、「データ消去がボトルネックになっているから」だと廣田は指摘する。IT機器に保存されていた情報が漏洩するのではないかという不安が、企業にはあるのだ。ゲットイットではそうした不安を払拭するため、「厳格なデータ消去を行っている」と廣田は胸を張る。

「当社では、国際標準のデータ消去規格『NIST』に準拠した安全なデータ消去を行っています。日本の規格についても、ADEC(データ適正消去実行証明協議会)に所属し、施設や設備など、消去する体制についてレーティングをいただいています。さらに私たちは、データ消去センターをお客さまに開示しています。どういう手順で消去しているか現場を見ていただき、ご納得いただいたうえでご利用いただくことが可能です」

適切なデータ消去により、企業から信頼を獲得しているゲットイットは、アフターサービスも万全だ。

「環境のためにただ中古品を買えばいいというのではなく、やはり企業で使っていく以上、サポートやメンテナンスの体制が必要です。私たちは、そういったサービスをお客さまのニーズに合った形で提供します。『あの会社がないとリユースは回らない』と言っていただけるようなポジションを取れるようになりたいです」(廣田)



ゲットイット

Promoted by ゲットイット / text by Fumihiko Ohashi / photographs by Shuji Goto / edited by Akio Takashiro