人間との関係があってこそのテクノロジー、とは

(左から)森ビルの桑名功、陶芸家/建築家の奈良祐希、Forbes JAPANの谷本有香

虎ノ門ヒルズの情報発信拠点「TOKYO NODE」は10月上旬に、TOKYO NODE LABの開設1周年イベント「TOKYO NODE OPEN LAB 2024」を開催。10月8日、9日には「ANNUAL TALK」と題し、共創拠点である「TOKYO NODE LAB」参画企業のメンバーやクリエイターが登壇するトークイベントを行った。

Forbes JAPANも「テクノロジーとビジネスマインドをかけ合わせた新たな価値創造」をテーマにトークセッションを実施。2023年カルチャープレナー選出の陶芸家/建築家・奈良祐希が、「Perfume Disco-Graphy 25年の軌跡と奇跡」展などを手掛ける森ビルの桑名功と対談した。モデレーターはForbes JAPAN Web編集長の谷本有香が務めた。


谷本:Forbes JAPANでは昨年から、カルチャーとアントレプレナーをかけあわせた造語である「カルチャープレナー」に注目したアワードを開催しています。というのも、ポスト資本主義の日本の経済を考えていくうえで日本の文化にフォーカスする重要性は非常に高いと考えるからです。

文化をどういう形で未来に繋いでいくのか、そのブリッジをより強固にするものがテクノロジーではないでしょうか。そんな観点でお話を伺うべくおふたりにご登壇いただきました。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

奈良:金沢で陶芸の創作活動と建築の事務所を二軸で行っています。僕自身は大樋焼という350年の歴史がある陶芸の家柄なんですが、自分は茶碗は作りたくないなと東京芸大に進み、建築を学びました。そのなかで建築のテクノロジーと陶芸の技法をフィックスさせて新しい創作ができないかと思うに至りました。

この「Bone Flower」(写真)という白磁の作品はその代表的なものです。実は2023年には金沢で「node Kanazawa」と名付けたある企業の社屋も設計していて、「ノード」繋がりで、TOKYO NODEには縁を感じています。

桑名:
私は昨年10月のTOKYO NODE開業と同時に森ビルに入社し、企画を担当しています。私達は、いろいろな文化を結びつけて新しいものとして世界に発信していくという思いでこのTOKYO NODEという施設を作っておりますので、まず、虎ノ門という街のなかで、このまちにどういう色をつけていくことができるのか、自主的に考えて発信するための企画を行い、実施しています。

昨年末から今年にかけて開催した体験型展覧会「蜷川実花展 Eternity in a Moment 瞬きの中の永遠」や、今年の「Perfume Disco-Graphy展」 も私が企画に携わったものです。
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文=青山鼓

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