アルファベットCEOのスンダー・ピチャイは、10月29日に行った第3四半期の決算発表でこの乗車数を明らかにした。同社は、ウェイモの収益を明らかにしていないが、ロボタクシー事業を含む同社の「その他(Other Bets)」部門の四半期の収益は31%増の3億8800万ドル(約594億円)に達した。ピチャイによれば、ウェイモはこの部門の「最大の構成要素」だという。また、この部門の営業損失は、3カ月間で6.5%減少し、11億ドル(約1687億円)に改善した。
「ウェイモは現在、自動運転業界の明確な技術リーダーであり、成長する商機を生み出している。我々は今や毎週100万マイル以上の完全自動運転を行い、15万件以上の有料乗車を提供している。これは、この分野の企業として初めての一般的な利用レベルへの到達だ」とピチャイは語った。
ウェイモの乗車数は、5月には毎週5万件程度だったが、8月には10万件に上昇し、今では15万件に達している。このサービスは、フェニックスやサンフランシスコ、ロサンゼルスでの利用者が増加しており、重大な事故がなければ、今後の数カ月も成長が続く見込みだ。
ウェイモは、ロサンゼルスでの展開をさらに拡大し、テキサス州オースティンとアトランタでもサービスを開始する予定だ。この拡大を資金面で支えるために、同社は先週、アルファベットや投資家の主導で56億ドル(約8580億円)の追加の資金を調達したと発表した。
一方、マスクは、テスラをロボタクシーの会社に再構築しようとしているが、同社は自動運転車の公的な試験プログラムを運用したことがなく、システムに関する詳細な情報も開示していない。テスラのオートパイロットやフルセルフドライビング機能は、技術的には完全な自動運転ではなく、常にドライバーが運転を引き継げる状態である必要がある。一方、ウェイモのロボタクシーは運転席に人間が乗車せずに運行されている。
運用車両数の拡大へ
ウェイモは、新たな資金調達に加えて、フェニックス都市圏に新たな車両の生産施設を設立し、センサーとコンピューティングシステムをロボタクシーに組み込む予定だ。また、来年から始まるフリートの拡大に向けて、ヒョンデのIoniq 5モデルをベースにした電気自動車(EV)を調達する計画だ。さらに、現在使用しているものよりも高性能で低コストな新たなセンサーとシステムに移行することで、収益性の向上を目指している。「ウェイモは今、非常にエキサイティングな時期を迎えている。私たちは、以前と変わらず安全を重視しているが、規模を拡大し、2025年以降の計画に役立つ様々なモデルを試験している」と、ピチャイは語った。
アルファベットの株価は、29日の市場で1.7%上昇して171.14ドルをつけ、時間外取引でさらに5.4%上昇した。
(forbes.com 原文)