フォーブス「トップクリエーター」番付2024年版、1位は年収130億円

今回のランキングで1位のミスタービースト(Shutterstock)

インフルエンサー業界の世界の市場規模は現在2500億ドル(約38兆3000億円)と推定されており、ゴールドマン・サックスは2027年までにその規模が5000億ドルに達すると予測している。

フォーブスが10月28日に発表した2024年のTop Creator(トップクリエーター)リストに選出された50組の受賞者たちは、世界で5000万人近くが参加するエコシステムの成長を背景に大きな成功を収めている。クリエイターたち50組の過去12カ月における収益の合計は、昨年よりも2000万ドル多い7億2000万ドル(約1100億円)に達している。また、YouTubeやTikTok、インスタグラムのフォロワー数の合計は昨年から1億人以上増加して、27億人を超えている。

トップクリエーターの多くは、膨大なフォロワー数を活かして、エンターテイナーから起業家へと進化しており、ミスタービーストやカビー・ラメ、ダミリオ姉妹、ポール兄弟、エマ・チェンバレンらは、ハンバーガーチェーンやシューズ、エナジードリンク、コーヒーなどのブランドを展開している。

さらに、アディソン・レイ・イースターリングやマット・ライフ、アメリ・ジルバーなどのクリエイターたちは、メインストリームのメディアに進出し、ダール・マンやレット&リンクは100人以上のスタッフを雇い、洗練された高品質なコンテンツを制作している。

フォーブスは、世界のトップクリエイター50人をランキングするにあたり、マーケティング企業のInfluential(インフルエンシャル)と協力し、彼らの推定総収入やフォロワー数、エンゲージメント率に関するデータを分析した。ここではそのうちの上位10人のデータを公開する。

全体のランキングなどの詳細はこちら(英語)から確認できる。

1位:ミスタービースト

収益:8500万ドル(約130億円)、総フォロワー数:5億300万人、平均エンゲージメント:2.38%
Getty Images

1位ミスタービースト(Getty Images)

ミスタービースト(本名:ジミー・ドナルドソン)は、SNS上で5億人以上のフォロワーを持つ、世界で最もフォロワー数が多いクリエイターだ。1週間の間、洞窟でサバイブするといった過激な動画で知られる彼のYouTubeのメインチャンネルには3億2000万人が登録し、ここ1年で90億回以上の再生回数を記録している。

ミスタービーストの圧倒的な人気は、アパレルやキャンディバーなどの消費者向け商品ラインの成功をもたらしている。一方で、物議も醸している。9月には、彼のアマゾンの番組『Beast Games』の参加者が、撮影現場での安全性への配慮が欠けているとして彼の製作会社を訴えた。

2位:ダール・マン

収益:4500万ドル、総フォロワー数:1億2000万人、平均エンゲージメント:0.33%
Getty Images

2位ダール・マン(Getty Images)

YouTubeで2300万人の登録者を抱えるダール・マンと150人以上のチームは、いじめや人種差別、不平等などのテーマで動画を製作している。「私のチャンネルは、立ち上げの当初から人々が人生の辛い時期を乗り越えるための手助けをすることを目指していた。私自身もそうした困難を経験した」とマンは述べている。

彼が書き上げたスクリプトは、自身が所有するロサンゼルスの9300平方メートルのスタジオで俳優たちを使って撮影されている。マンは、この1年間でグーグルのアドセンスに加えて、WhatsAppやユニバーサル、SocialPointなどのブランドとの提携で約4500万ドル(約69億円)の収益を上げていた。彼はまた、クリエイターエージェンシーの5th Quarter Agencyや美容ブランドのLiveGlamの運営を行っている。

3位:マット・ライフ

収益:5000万ドル、総フォロワー数:3040万人、平均エンゲージメント:3%
Shutterstock

3位:マット・ライフ(Shutterstock.com)

コメディアンのマット・ライフはオンラインでの人気を活かして各地の劇場を満員にしている。2022年にTikTokで注目を集めた彼は、ここ1年で約30のライブを完売させて、数千万ドルを稼いでいる。

ネットフリックスでは、彼のコメディ番組が2本配信されており、最初の番組の『マット・ライフの自然淘汰』はDVに関するジョークで批判を受けたこともあった。また、2本目の番組の『マット・ライフの頭はキレキレ〜観客イジリスペシャル』は、8月に公開されて今年最も視聴されたスペシャル番組の1つとなった。ライフは12月に初の書籍の『Your Mom’s Gonna Love Me(キミのママは僕を好きになる)』を出版する。
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編集=上田裕資

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