BTSからメールでオファー、振付師RIEHATAの軌跡と野望

帰国後は、アルバイトの傍らダンスの練習に励んだ

今となってはダンス界のレジェンドであるリエハタ氏。しかし米国に行き来するお金は歌舞伎町のモスバーガーで必死にアルバイトして稼いだという。

「モスバーガーでバイトをやっていなかったら、社会勉強できなかったから、私にとってすごく必要な時間だったなと思いますね。一気にオーダーがきた時に冷静に全てを捌いていかないといけない、あの能力はダンスにも生かされてますね。”同時進行で行う”っていうマルチタスクは社会勉強で身についたと思います。」

こうしてアルバイトで貯めたお金でアメリカへ行く、を何度も繰り返す生活が続いた。

19歳になり、人生の大きな転機を迎える。

レディー・ガガの日本でのバックダンスオーディションだ。

当時のレディー・ガガといえば、世界で最も売れたアーティストの一人として爆発的な人気を博し、世界中を席巻していた。

「実は、本番2日前に選ばれたんです。だからダンスが上手なだけじゃなくて、対応力だったりとか、ダンスを覚える速さとか、変更した時に臨機応変にパフォーマンスができる能力とかを問われて。ものすごい緊張感のあるオーディションだったことを今でも覚えていますね。」

RIEHATAは初の日本人ダンサーとして起用された。日本でそして世界で彼女のダンスが認められたのだ。その後は、ChrisBrown、Omarion、BTS、BoA、AI、EXILE、King & Prince等、世界各国の有名アーティストから次々とオファーを受け、現在はダンスだけに留まらず振り付けやモデルなどアーティストとしてマルチな才能を発揮するまでに上り詰めていった。


0になって、また下手くそな自分に戻る

RIEHATAの驚くべきところは、数々の華々しい成功体験をもつにも関わらず、常に新しいことにチャレンジし続けるところだ。原点に戻って自分の未熟さと向き合い、初心を忘れないよう普段から意識する。驕り高ぶらず、何事にも謙虚でい続ける姿勢こそが今のRIEHATAを確立させたのかもしれない。最近ではピラティスのスクールに通い、そのクラスの中では一番初心者だという。クラスメイトは世界のトップダンサーと同じ教室にいることを知るよしもなく、身元を明かさずに近くのレッスンスタジオに通うという。ヒップホップのみならず、あらゆる身体の動きを研究する。それがリエハタのダンスレパートリーの豊富さにつながっているのだろう。
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