港湾から電力までの幅広い事業を展開するアダニグループは、インド国内でのインフラ需要の高まりを受けて、この分野の取り組みを強化しようとしている。
ドバイを拠点とするRenew Eximは、インド市場に上場するITDの株式を、バンコクに拠点を置くイタリアとタイの合弁会社から購入する。買収額は、10月25日のITDの株価の終値から25%のディスカウントを適用した額だという。
ITDは、インド国内で多数のインフラプロジェクトを運営しており、Renew Eximはこの取引でITDの上場廃止を行わない予定という。
ITDの大型プロジェクトの1つには、インド北部のウッタル・プラデーシュ州にある全長1047キロの6車線高速道路、ガンジス高速道路があり、すでに50%が完成している。他にはチェンナイやバンガロールの地下鉄関連のプロジェクトや、インド海軍のプロジェクトなどがある。
この買収は、アダニグループがインフラ需要の拡大に対応するためにセメント製造事業を強化しているタイミングで行われたもので、規制当局の承認が必要とされている。同グループのAmbuja Cements(アンブジャ・セメンツ)は先週、Orient Cement(オリエント・セメント)の47%の株式を810億ルピー(約1480億円)で取得する取引に合意していた。
家族とともに1160億ドル(約17兆8000億円)の資産を保有するアダニは、フォーブスが今月発表した『インドの富豪100人』リストで国内第2位の富豪とされていた。アダニの事業帝国は、セメント以外にも空港や鉱業、港湾、発電事業などに及んでいる。
(forbes.com 原文)