ファムとビングループが出資したVinVentures Capital Fund(ビンベンチャーズ・キャピタルファンド)は、AIや半導体、クラウドコンピューティングなどのハイテク分野に特化した投資会社で、すでに1億5000万ドル(約230億円)の資金を用意したと10月28日に発表した。この資金の3分の2は既存のビングループのポートフォリオからの流用で、残りの5000万ドル(約76億円)も今後3~5年以内に投入される予定という。
「ビンベンチャーズは、スタートアップに単に資金を提供するのみではなく、グループ内の企業のエコシステムとの接点を提供する」と、同投資会社のマネージングディレクターのレ・ハン・トゥエ・ラムは声明で述べている。
ビンベンチャーズは、初期の段階では、ベトナム人の創業チームを持つアーリーステージの企業への投資を行う予定という。同社はまた、ベトナムと類似した発展特性を持つシンガポールやインドネシア、フィリピンなどの地域にも拡大する意向を示している。
ビングループは、創業者のファムが同社をベトナムを代表するテック系コングロマリットに成長させるという野心的な目標のもとで、ハイテク関連のスタートアップへの投資を行ってきた。同社は、グループ内の別の投資会社を通じて、既にVinBigData(ビン・ビッグデータ)やVinAI(ビンAI)などのテック系スタートアップに投資している。
1993年にウクライナでインスタントラーメンの製造・販売会社を立ち上げたファムは、2010年に同社をネスレに売却した際の資金を用いてビングループを設立した。同社は現在、不動産や小売、ヘルスケア、自動車の製造などを手掛けるコングロマリットに成長した。
(forbes.com 原文)