ウクライナの情報筋は数日前から、数千人規模の北朝鮮兵がクルスク州の戦線に到着し始めたと述べていた。ウクライナ国防省情報総局(HUR)が傍受し、27日に公開した会話はそれを裏づけているとみられる。
エストニアのアナリスト、WarTranslatedが英語の字幕をつけてくれているこの会話で、ロシア軍関係者2人はクルスク州に向かう途中で止められたカマズ・トラックの運転手についてやり取りしている。
The Ukrainian HUR has released a recording that reportedly captures the accidental detention of a civilian-plated KAMAZ truck driver in Russia's Kursk region on October 27. The driver, who was transporting North Korean soldiers, lacked a valid combat assignment, which raised… pic.twitter.com/e5Z048j2rl
— WarTranslated (Dmitri) (@wartranslated) October 27, 2024
「ああ、それで戦闘任務じゃなかったのか」と1人目は納得している。北朝鮮兵の輸送が戦闘任務という扱いを受けていないのは、クルスク州への北朝鮮部隊の派遣が非公式のものだということだ。ロシア大統領府は北朝鮮の派兵を「フェイクニュース」と呼んだこともあるくらいなので、これは驚くに当たらない。
ロシア軍の海軍歩兵部隊に加入か
WarTranslatedによれば、この運転手が運んだ北朝鮮兵はロシア海軍第810独立親衛海軍歩兵旅団に送られたもようだ。この部隊は、ウクライナ軍が8月にクルスク州につくり出し、なお数百平方kmの広さがある突出部の東側外縁のルスカヤ・コノペリカ村周辺で、ウクライナ軍の侵攻部隊を押し返そうとしてきた。ウクライナ側はこれまでのところ、ドローン(無人機)や大砲でロシア軍の反撃を食い止めている。第810海軍歩兵旅団などロシアの海軍歩兵部隊は残忍さや規律の低さで悪名高い。突出部の西側外縁近くでは今月10日ごろ、ロシア海軍第155独立親衛海軍歩兵旅団が、捕虜にしたウクライナ軍のドローン操縦士9人を下着一枚にしたうえで処刑した。
それ以来、ウクライナ軍の複数の精鋭旅団が第155海軍歩兵旅団の小隊を追跡しては伏撃することを繰り返している。もはやロシアの海軍歩兵らを生きて捕虜にしようとはしていない。
情報総局の傍受した通信が北朝鮮部隊のクルスク州展開を示しているのだとすれば、北朝鮮部隊が戦闘に従事している直接の証拠が出てくるのも時間の問題だろう。最初の証拠は、北朝鮮兵がウクライナ軍のドローンに攻撃される映像かもしれない。
(forbes.com 原文)