ヌークスのAIツール群は、Fivetran(ファイブトラン)やAmplitude(アンプリチュード)などの企業の数万名の営業担当者に使用されており、収益は、過去2年の間、毎年4倍に伸びたとCEOのダニエル・リーはフォーブスに語った。
同社のAIツールは、連絡先の情報収集やボイスメールの録音、メールの作成、リサーチといった業務を自動化するもので、見込み客を顧客に転換するプロセスの営業パイプラインを劇的に改善するという。
現在25歳のリーがスタンフォード大学のクラスメートらと2020年に共同創業したヌークスは、当初はリモートで働く社員のための「バーチャルオフィス」のサービスを目指していた。しかし、営業チームが同社のサービスの主要なユーザーであることに気づいた彼らは、2022年に営業担当者向けのAIツールに注力する方向へと舵を切った。
ヌークスのAIプラットフォームは、OpenAIのGPTやグーグルのGemini(ジェミニ)などのAIモデルの上に構築されており、約1億件の匿名化された営業現場の会話のデータセットで訓練されている。また、同社は、営業担当者が電話セールスの練習をするためのコーチングツールも提供しており、顧客役を務めるAIから、改善点のフィードバックが受けられる。ヌークスのプラットフォームは、セールスフォースやハブスポットなどの営業担当者が日常的に使用する他のソフトウェアと統合されている。
リーによると、ヌークスは新たな資金でチームを拡大してプロダクトを改善し、最終的には米国内の約300万人の営業担当者が単調な業務を自動化し、業務の戦略的な部分に専念できるようにすることを目指しているという。
クライナー・パーキンスのパートナーで、ヌークスへの投資を主導したリー・マリー・ブラスウェルは、以前の職場のScale AI(スケールAI)に勤務していた際に、リーと共に働いていたという。彼女は、ヌークスのAIツールが、企業の従業員をより生産的にし、収益を増加させると述べている。「彼らのツールを使用すれば、営業担当者はより人間中心で戦略的な業務に集中できる」と、彼女は語った。
(forbes.com 原文)