自分自身はもちろん、離れて暮らす両親や祖父母のためにできることを確認するためにも、小笠原さんの経験と知識を共有したい。
飲み水は1日ひとり2Lに加え、生活用水も確保せよ!
前回の記事でも触れたが、豪雨で実家が被災したときに「事前にやっておけば良かった」と切に感じたことは“備蓄”だったという。当時を振り返りながら、小笠原さんが特に必要だと語った備蓄品はこの4つだ。
・生活用水を含む備蓄水
・1週間分の食料
・塩分補給ができるもの
・現金
「被災後に1週間ほど断水になって、水がまったく足りませんでした。飲み水の備蓄もしていなかったので、自治体から支給された水や知人からいただいたペットボトルの水を飲んでいましたが、生活用水にまわす量はなく、給水車から汲んできた水で凌いでいました。
手や食器を洗ったり、洗濯するにも水は必要。飲み水だけでなく、衛生面も考えた生活用水を余分に備蓄しておくことが大切です。
食料も1週間分はストックしておくのが望ましいでしょう。夏の場合は汗をかくので、塩分補給できるタブレットや経口補水液なども用意しておくと安心ですね。私は非常用持ち出し袋に入れています。
そして忘れがちなのが現金。最近は持ち歩かない人も多いと思いますが、被災時は停電していることも多いので、ある程度の現金を持っておきましょう」(小笠原知恵さん、以下同)。
避難所に行けば「助けてもらえる」はNG!
「避難所に非常用持ち出し袋を持ってくる人が少ない」。西日本豪雨をはじめ、さまざまな災害現場でキャスターとして取材した際、自治体の人がこう嘆いていたという。
「『避難所に行けば助けてもらえる』とは思わないほうがいいです。その場にいるみんなが被災者ですから、誰もが自分のことで精一杯。救援物資が届いていない場合もあるし、全員に行き届かないことだってある。自分に必要なものは、自分で用意することが大事なんです。
下着や常備薬、口腔ケア用品、女性なら生理用品、高齢者なら折り畳み杖や入れ歯用品、乳幼児がいるならミルクやおむつなど、必要不可欠なものは何かを考えて事前に準備しておきましょう」。
小笠原さんは、離れて暮らす両親や祖父母の備蓄品も定期的に確認している。オンラインショップを利用し、水や食料など、量が減ったものを実家に送っているそうだ。
心がけひとつでできることは思い立ったが吉日。いますぐ確認を!