業績が上振れしたことと、イーロン・マスクCEOが来年の販売台数の伸びはもっと強くなる可能性があるとコメントしたことで、株価は時間外取引で12%近く上昇した。注目すべきは、その上昇要因の多くが規制クレジット販売と、テスラがしばしば見過ごしがちなエネルギー事業によるものだったことだ。
テスラの業績を押し上げた要因はいくつかある。Q3の納車台数は前年同期比約6.4%増の46万2890台となり、2024年で初めて前年同期を上回った。平均販売価格は引き続き低下傾向にあり、Q3は製品ミックスの悪化や大幅な値引き提供などにより、前年同期と比べ1000ドル以上低い4万700ドル(約617万円)へと下がった。
テスラの収益増加の大部分は、約7億3900万ドル(約1121億円)の自動車規制クレジットの売上によるものだ。EVメーカーであるテスラは、政府が定めたゼロ・エミッション車の販売目標を達成できない従来の自動車メーカーに販売できる規制クレジットを獲得している。このクレジット売上は、ほぼすべてが利益になると推定され、これがQ3の利益率を押し上げたと思われる。EV事業の粗利益率は16.4%で、前年同期の15.7%から上昇した。これは、コスト削減、規模の拡大によるメリット、完全自動運転ソフトウェアに関連する収益認識の変更が要因であると思われる。