3. (子どもが育てられるなかで培った)復讐心をどう扱うか
2021年の研究では、いじめの行動は、育児スタイル(その子どもがどうやって育ったか)と有意な相関関係があることがわかった。さらに、権威主義的な子育てをする親を持つ青少年は、いじめ行動を起こす可能性が高く、寛容な子育てをする親を持つ青少年は被害者になりやすいという。Netflixのドラマ『セックス・エデュケーション(SEX EDUCATION)』で、俳優コナー・スウィンデルズが演じるアダム・グロッフ(校長の息子でいじめっ子)は、家族の悪影響がいかにいじめを永続させるかを示す、わかりやすい架空の例だ。
子どもの復讐行動を抑えるために、親は、寛容と理解の模範となるような接し方を心がけることができる。なぜ恨みを手放すことが大切なのかを説明し、紛争解決の前向きな手本を示そう。
また、自分の行動が他者に与える影響を子どもが理解できるよう、支援することができる。行動の結果や感情について話し合ったり、親切や分かち合い、協力などの行為を称賛したりすることが重要だ。
4. オープンなコミュニケーションを奨励する
他の人に貼るレッテルは、しばしば自分自身の不安を映し出す。例えば、誰かを「醜い」と言うことは、自身の自尊心を安心させる方法なのかもかもしれない。このような行動を防ぐために、協力的で内省的な家庭環境を作ろう。自分の感情を、罪悪感なしに率直に表現するよう子どもに教え、健全な方法で感情をコントロールする方法を指導しよう。National Association of School Psychologists(NASP)の調査は、養育環境がいじめを減らし、感情的なウェルビーイングを育むことを裏付けている。思いやりのある親との対話や経験の共有は、子どもの心に信頼と肯定性を築き、それは他者との関わりにも及んでいく。
別の研究によれば、家庭内や学校生活の中で行われるコミュニケーションにおいて、共感やオープンな対話を重視することは、子どもを思いやりのある人間に成長させるのに役立つという。
いじめ行為は、多くの場合、子どもが直面している根深い問題から生じている。親としての我々の影響力は大きい。肯定的な手本を示し、子どもの感情的なニーズに気を配ることで、我々は子どもたちが、他者に敬意をもって親切に接することの大切さを理解し、思いやりと共感力のある人間に成長するのを手助けできる。
(forbes.com 原文)