瀬戸内エリア内外の起業家やアトツギをゲストに招き、瀬戸内・中四国特化型ベンチャーキャピタル「Setouchi Startups」の共同代表、藤田圭一郎と山田邦明がVC目線でゲストのビジネスストーリーを深掘りします。
今回は、社会課題をビジネスで解決する起業家の支援を行うtaliki取締役の原田岳さんをゲストにお迎えした回をご紹介。
単に解決を目指すだけではなく、生まれ続ける社会課題を解決し続ける構造を作っていくことを描くtaliki。起業家の支援がメインの事業でありながら、起業の文脈では市場の大きさから資金調達などが難しい分野へも目を向けている。そんな背景にある思いから今後の展望までをお届けします。
社会課題が顕在化する現代で、解決し続ける仕組みを作る
原田:taliki取締役の原田岳です。社会課題をビジネスで解決するエンジェルからシリーズAまでのラウンドの起業家の支援をしています。「命を落とす人、死ぬより辛い人の絶対数を減らす仕組みを作る」を掲げ、社会課題を解決する人をエンパワーすることがビジョンです。僕らが目指していることは、社会課題がいつでも解決される社会構造を作ること。
これまで社会課題に対しては、NPO法人や地方自治体が税金によってアプローチしていました。ただ、SNSの台頭によって様々な社会課題が顕在化してきたんです。それだけではなく、少子高齢化で自治体に対してお金が集まらなくなってきたことで解決するリソースが少なくなった。ビジネスで解決できる事例やリソースを増やさなければと、資本主義の中に「社会課題解決」を組み込んで、消費者や投資家に参画してもらいながら市場が成功体験を積んでいくように、社会課題を解決し続ける構造を作っていこうとしています。
藤田:社会課題の顕在化において、SNSはやっぱり重要だったんでしょうか。
原田:重要だと思います。例えばSNSがなかったら、東京・歌舞伎町の「トー横」はここまで有名にならなかったはず。ただ、SNSがない時代は顕在化しづらかった社会課題がたくさんあり、顕在化してしまったからこそ解決しなきゃいけないという論理が働いてるだろうなとは思ったりはしますね。
社会起業家を支援 グロースさせるノウハウを集める
原田:エンジェルからシリーズAまでの起業家を支援する4つの事業をやっています。社会起業家育成プログラムでは、インキュベーションアクセラレーションプログラムとして年間5つのプロジェクトを回して、50事業の支援をしています。起業家には基本的にお金をいただいておらず、インフラ系の事業会社や、自治体からいただくことが中心です。私達のプログラムでは事業化率8割を超えていることが特徴ですね。
2020年12月からは、インパクト投資ファンドを始めました。始めた当初は、社会課題解決と社会起業家特化のシード・アーリーのファンドとして始めたんです。