11月5日、大統領選
10月19日にペンシルベニア州で開催されたトランプの選挙活動イベントの壇上では、マスクはサメの話を披露した。「私たちは海上に着水するスターシップが、サメに衝突するかどうかを調査しなければならなかった。分析するからサメのデータをくれと言うと、彼らは渡せないと言いました」
「このクレイジーなサメの分析が終わるまで打ち上げは中止。しかし、最終的に私たちはデータを入手して分析し、サメは大丈夫だと説明できた。すると彼らは、クジラはどうなんだ、と言い出したのです」
前例のない事業を複数展開するマスクは、多くの規制と闘っている。テスラの自動運転は米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)に関連し、無人タクシー「サイバーキャブ」を販売するには各州の委員会からの認可も必要となる。脳インプラントのニューラリンクは米食品医薬品局(FDA)の管轄であり、米国証券取引委員会(SEC)と全米労働関係委員会(NLRB)との折り合いも悪い。
その結果、現政権下のオーバーレギュレーションを抑制するため、マスクはトランプを支持するとともに、その支援団体である「アメリカPAC」を設立。トランプとその支持者に多額の献金、または寄付を行っている。
これに対してトランプは、政府機関の効率化を担う委員会を新設すると発言。マスクの提案によるこの組織はあらゆる規制当局を監視し、不正や不適切な支払いを完全に排除するとしている。そして、この「政府効率化省」の指揮を執ることにマスクは関心を示している。
米国時間11月5日の大統領選で共和党が勝利すれば、スペースXを軸とした宇宙プロジェクトの進行はよりスムーズになるかもしれない。ただし、民主党が勝利すればマスクは、彼にとってさらに不都合なルールに脅かされるに違いない。