北米

2024.10.27 14:00

米セレブの間で蔓延する合成麻薬「ピンクコカイン」

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「ピンクコカイン」と呼ばれる複数の薬物を混合した粉末状のドラッグが、先日、ブエノスアイレスのホテルから転落死した英音楽グループ「ワン・ダイレクション」のメンバーのリアム・ペインの死に関連していると米国のABCニュースやアルゼンチンのメディアが報じた。ケタミンやエクスタシーなどの向精神薬を含むとされるこの薬物は、米国の都市部で人気が高まっている。

ABCニュースは匿名の情報筋の証言として、ピンクコカインやコカイン、ベンゾジアゼピン、クラックが検死の結果、ペインの体内から検出され、ホテルの部屋で即席のアルミパイプが発見されたと報じている。

ピンクコカインは、興奮剤と抑制剤を含む粉末状の混合物で、他のセレブの間でも使用が蔓延していると米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の取材に対して研究者が語っている。

デザイナードラッグと呼ばれる合成薬物の一種であるピンクコカインは、エクスタシーやメタンフェタミン、オピオイドなどに加えて、昨年10月に亡くなった人気ドラマ『フレンズ』の俳優のマシュー・ペリーの死因とされるケタミンを含んでいる場合が多い。

米麻薬取締局(DEA)によると、ピンクコカインは近年、米国のクラブシーンで広く見られるようになっており、複数の薬物がランダムに混合されているため、特に危険度が高いという。

CBSニュースによると先日、性的人身売買などの容疑で起訴されて収監中のショーン・コムズもピンクコカインを常用していたという。さらに、インスタグラムの著名インフルエンサーのメイシー・マリー・ラザーズも、今年初めにマイアミで2人を死亡させた自動車事故を起こした際に、この薬物を使用していたと警察に語っていた。

パデュー大学の幻覚薬の研究者であるデイビッド・E・ニコルズ博士は、ピンクコカインについて「その使用がどのような結果を引き起こすかは、神のみぞ知る」とNYTの取材にコメントしている。

ワン・ダイレクションのメンバーのペイン(31)は10月16日、ブエノスアイレスのホテルの3階バルコニーから転落して亡くなった。彼の死の直前にホテルのマネージャーは、911に電話をかけ、薬物とアルコールの影響下にある客がバルコニーに居ると警察に訴えたと報じられている。

ペインのホテルの部屋とされる写真には、アルミホイルや粉状の物質、ライターがテーブルの上に散らばっていた。21日にABCニュースが伝えたところによると、彼の体内からはピンクコカインを含む4種類の薬物が見つかった。

forbes.com 原文

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