海外

2024.10.28 14:00

病院の「紹介状」をAIで効率化、米Tennrが55億円調達

R Photography Background / Shutterstock.com

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ヘルスケア分野の米国スタートアップであるTennrは22日、シリーズBラウンドで3700万ドル(約55億円)を調達したと発表した。同社はわずか7カ月前にもシリーズAで1800万ドル(約27億円)を調達している。専門医に紹介された患者の診察までの待機期間を機械学習と文書スキャンの技術で短縮している同社は、今回調達した資金で来年さらに事業を成長させる構えだ。
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フォーブスは今年3月に、ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ、略称a16z)が主導したシリーズAラウンドの際、Tennrを初めて取り上げた。同社はかかりつけ医から絶え間なく紹介を受ける自営の医師や診療所、病院など米国内の医療機関との提携を増やしている。

かりつけ医からの紹介状はEメールやファックスなどで届き、形式は統一されていない。そのため、受ける側でかなりの手間が発生し、患者が専門医に診察してもらうまでかなり時間がかかる原因になっている。Tennrのテクノロジーはあらゆる形式の紹介状から関連情報を抜き出すプロセスを自動化する。これにより、従来より早期の診察が予約でき、関係機関との連携も可能になる。

同社のCEOを務めるトレイ・ホルターマンは「人の目につかないところで多くの患者を支援していることを本当にうれしく思っている」と語る。ホルターマンは2021年にディエゴ・ボウ、タイラー・ジョンソンと共にTennrを創業した。同社のツールを介してすでに全米で数千万件の診察予約が行われ、多くの場合、患者は何週間も待たされるのではなく数時間で専門医の予約が取れる。
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Tennrのシステムは医療業界向けに構築された機械学習モデルをベースにしている。複雑な医療用語を含む何十ページものメモが含まれるケースが多いため、汎用型の機械学習や人工知能(AI)ツールを適用することが難しい。また、医師や診療所、保険会社などの関係者に最新の情報を提供することがシステムには求められている。

Tennrのツールをいち早く導入した企業は、患者にとっても大きなメリットがあると指摘する。テキサス州の医療機器プロバイダー、Total Medical Supply(トータル・メディカル・サプライ)の業務部門を率いるダリウス・リードは、Tennrのツールは「ワークフローを一変させるもの」だと語る。「当社は今、以前に比べてかなり短い時間で新規患者に対応している。革命的だ」

こうした初期の成功が成長戦略の加速につながったとホルターマンは言う。「アクセルを踏み込んで、可能な限り積極的に事業を推進する真のチャンスだと考えている」とも語る。Tennrは今後半年〜8カ月で従業員数を倍増させる計画で、医療コードの処理などの分野で技術を向上させる新規プロジェクトに着手している。
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翻訳=溝口慈子

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