しかし、変化し続ける世界の複雑な状況に振り回されないよう気をつける必要がある。旅行者にとっては、どの国が本当に安全なのかを常に把握しておくことがこれまで以上に重要だ。では、最も安全な旅行先はどこだろうか?
その答えは、米旅行保険会社バークシャー・ハサウェイ・トラベル・プロテクション(BHTP)の年次報告書「THE SAFEST PLACES TO TRAVEL TO IN 2025(2025年に最も安全な旅行先)」に記されている。
バークシャー・ハサウェイは米国人旅行者を対象に、旅行体験に関するアンケートを実施。その回答を「世界平和度指数」、世界中の生活情報をデータベース化したウェブサイト「Numbeo」、旅行安全アプリ「GeoSure Global」といった第三者の情報源が提供する指標やデータと組み合わせ、犯罪やテロの危険度、医療制度などの項目を評価して各国をランク付けした。
ただし、このランキングには突発的なテロや自然災害の可能性は考慮されていない。また「特定の国が今この瞬間に安全だということでもなければ、その国の全域がおしなべて安全だという意味でもない」と報告書は釘を刺し、「イスラエルがいい例だ。訪れた人はこの国を安全だと言うが、おそらく今すぐ訪れたい場所ではないだろう」と述べている。
今回「最も安全な旅行先」と評価されたのはアイスランドで、昨年の9位から大きく順位を上げた。近年は火山噴火や氷河の洞窟の崩壊など自然災害が相次いでいるが、犯罪率は低く、人口の少ない平和な国だ。バークシャー・ハサウェイによると、幹線道路(国道)が1本しかない点も安全性に貢献しており「論理的に考えて、交通量が少なければ交通事故も起こりにくい」と報告されている。火山の噴火は引き続き懸念事項となっているものの、「アイスランド人ほどそれを気にしていない国民はなかなか見つからないだろう」とも指摘されている。