Display-P3対応の広色域とよく調整が追い込まれたカラーマッチングの良さは、iPad miniにおいても同様であり、True Tone対応や全面ラミネート加工、業界最高レベルの反射防止コーティングと十分な輝度は、さまざまな照明条件下で優れた見え味を提供してくれる。
見逃せないカメラ画質の向上
iPad miniの心臓部となるA17 Proは、前モデル搭載のA15 Bionicから大幅に性能向上している。CPUパフォーマンスで30%、GPUパフォーマンスで25%向上し、Neural Engineの2倍速モードは、後述するApple Intelligenceへの対応に不可欠でもある。中でも5コアGPUは、ダイナミックキャッシング、ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング、そしてハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングをサポート。
今年のiPhone 16シリーズに搭載されたA18世代でも進化はしているが、このときの設計変更はかなり大きなものだった。iPad miniはサイズ的に電子書籍などのコンテンツビューアやポータブルゲーム機のように使う人も少なくない。
しかし見逃せないのは、こうしたシステムチップの更新はハードや機能のさまざまな部分に及ぶことだ。例えばこの間にアップルは、イメージシグナルプロセッサー、いわゆるISPの性能を高めていた。この回路は、イメージセンサーから得られる信号を処理するための専用回路で、これが新しい世代になったことで内蔵カメラの画質は明らかに向上している。
特に暗いシーンでも自然な色合いの写真となり、またコントラストの高いシーンではスマートHDR 4対応により細部まで美しく捉える。
動画撮影も4K解像度で最大60fpsのHDR撮影に対応し、1080pでは120fpsと240fpsのスローモーション撮影にも対応。iPhone+iPad miniでマルチカメラ撮影してみると画質そのものが近く、混在させてカットを切り替えても雰囲気が揃う。手軽にマルチカメラの作品づくりにチャレンジできるだろう。