ラスキンによると、このプロジェクトにおける最大の課題は、学習データへのアクセスだという。大規模言語モデルがインターネット上のあらゆるデータで学習できるのとは異なり、アース・スピーシーズ ・プロジェクトではさまざまな生物の録音を収集する必要がある。また、同NPOが保有するデータを含め、ノイズの多い環境から個々の動物の鳴き声を分離するのは技術的に困難だ。
さらに、動物のコミュニケーションを理解するためのAIモデルは、人間用のモデルと同じく計算コストが高いにも関わらず、資金が集まりにくいという問題もある。この研究に対する懐疑論者たちは、動物のコミュニケーションを翻訳するという考えは、それらが人間の声と類似性があることを前提としているが、そもそもそうではない可能性があると指摘している。
アース・スピーシーズ ・プロジェクトは非営利団体ではあるが、創業者メンバーたちは、起業家の目線で事業を運営している。ラスキンは、今回獲得した寄付金を一般的なスタートアップが初めてクローズした大型ラウンドのようなものだと捉えている。生物学者たちは、野生動物の録音データを解読するために彼らの基礎モデルを使用しており、例えばカラスが巣立とうとしているときに発する音を判別できるという。「今の我々に必要なのは、資金調達だ」と彼は語った。
(forbes.com 原文)