ソフトバンクからの出資
競争が激化しているにもかかわらず、ナワビは自身の会社が市場を支配するためのユニークな立場にあると信じている。彼は、ロッキード・マーチンのような大手の防衛請負業者と比べて、エアロバイロンメントがより迅速にイノベーションを行うことができると主張している。これらの大手企業は通常、国防総省が試作機の開発資金を提供するのを待つが、エアロバイロンメントは国防総省からの要求を先回りして自社の資金で開発を行っている。一方、防衛テックのスタートアップは派手なプロトタイプで目を引くことができるかもしれないが、それを大量生産するためのノウハウを持っていないとナワビは述べている。
ウクライナではここ最近、小規模企業やボランティア団体が1機あたり500ドル程度のコストで、趣味用のドローンをベースにしたのFPV(一人称視点)ドローンを月に数万台単位で製造し、近距離の攻撃に用いている。しかし、ナワビは、こうしたガレージ製のドローンが自社のビジネスにとって脅威ではないと述べている。スイッチブレードが高価格であるのは、国防総省が求める高度な機能を追求した結果であり、コストの半分は強力な弾頭とより高性能なセンサーシステムによるものだと彼は説明した。
一方でエアロバイロンメントは、2019年から国防総省と共同で成層圏通信プラットフォーム(HAPS)向けの機体開発にも取り組んでおり、高度約20キロの成層圏で数週間にわたり飛行を続けられるソーラーパワーの航空機の完成を目指している。この取り組みはソフトバンクからの出資を受けており、同社はこの航空機を使って、携帯電話の基地局の範囲外にいる20億人に5Gモバイルサービスを提供することを目指している。
もしこの計画が成功すれば、数十億ドル規模のビジネスチャンスになるとナワビは述べている。
しかし、ナワビは、自身が追い求めているすべての機会で勝利する必要はないと考えている。「基本的には、私たちがゴールに向けたシュートのうちの1つか2つを成功させれば、今よりも何倍も大きく会社が成長すると考えている」と彼は語った。
(forbes.com 原文)