調査会社カウンターポイントのデータを引用したブルームバーグの報道によると、中国におけるiPhone 16発売後3週間での販売台数は、昨年のiPhone 15を20%上回っている。
この売上の伸びは、アップルがファーウェイなどの中国メーカーとの激しい競争に直面する中で報じられた。ファーウェイの最新のフラッグシップ端末は、iPhone 16と同じ日に中国で発売されている。
カウンターポイントによると、iPhone 16シリーズは上位モデルのiPhone 16 ProとPro Maxが最も好調な売れ行きとなっており、この2端末の合計の販売台数は2023年のProモデルに比べて44%増だった。
アップルの株価は、このニュースを受けて10月18日の市場の取引開始直後に1.9%上昇した。同社の時価総額は先週初め、iPhone 16の発売と、人工知能(AI)機能のApple Intelligenceのリリースが迫っていることに後押しされて一時、過去最高の3兆6100億ドル(約536兆円)に達していた。
先月のiPhone 16の発売とApple Intelligenceの発表は当初、市場からの懐疑的な反応を受け、アップルの株価は急落していた。この急落の引き金となった一因は、最新のiPhoneの予約注文がiPhone 15に比べて約12.7%少なく、需要の鈍化が示されたという報道だった。
しかし、最新のサプライチェーンのデータは、その見方を覆しており、モルガン・スタンレーのアナリストのエリック・ウッドリングは、iPhoneの需要を測る指標のリードタイム(注文からデバイスを納品するまでにかかる時間)は有望であり、先月出荷されたiPhoneが予想より約10%多い5600万台だったと述べていた。
今年初めにカウンターポイントが発表したレポートによると、アップルの中国でのスマートフォン販売台数は、2024年第1四半期に19.1%減少した。世界最大のスマートフォン市場での売上が低迷したことで、アップルがファーウェイやシャオミといった地元のライバルに後れを取っているとの懸念が生じていた。
中国市場は、アップルの収益の15%以上を占めており、これは同社にとって大きな打撃と見られていた。
一方、アップルのプレミアムセグメントでの主要なライバルであるファーウェイは、2800ドル(約41万9000円)のフラッグシップデバイスをiPhone 16と同じ日に発売した。最新のiPhoneが旧デザインを踏襲したと評された一方で、Huawei Mate XTは、目を引く三つ折りスクリーンを備えて発売された。
(forbes.com 原文)