宇宙

2024.10.21 16:00

41光年先の「太陽系2.0」で地球外文明探し、惑星間通信の電波信号を探索

地球サイズの7つの惑星を持つトラピスト1星系を描いた想像図。主星から程よい距離にあるハビタブルゾーン内を公転する惑星の表面には液体の水が存在する可能性がある一方、近すぎると水が蒸発してしまい、遠すぎると凍結して氷になる(NASA/JPL-Caltech/R. Hurt (IPAC))

研究チームは、惑星による惑星の掩蔽(えんぺい、PPO)と呼ばれる現象を調査し、トラピスト1から漏れ出る電波信号を探した。PPOは、惑星が観測者と別の惑星の間を通過する場合に起きる。観測データにフィルタリング処理を施すことで、PPOが起きていると予測される間の狭帯域信号を2264個検出したが、どの信号も人類以外に由来するものではないと判断された。
advertisement

太陽系外惑星系で行われている惑星間通信と、惑星掩蔽中にその電波信号が漏れ出している様子を描いたイラスト。矢印が地球の観測者の方向を示している(Zayna Sheikh)

太陽系外惑星系で行われている惑星間通信と、惑星掩蔽中にその電波信号が漏れ出している様子を描いたイラスト。矢印が地球の観測者の方向を示している(Zayna Sheikh)

空を監視する

科学者は今のところ、人類が宇宙に向けて送信するようなタイプの電波信号しか探索できない。だが、より大型で高性能の電波望遠鏡の干渉計がまもなく利用可能になる。「ほとんどの探索では、ビーコン(特定周波数の電波を常時発信する装置)のように何らかの意図を想定している。現在使用されている受信機の検出感度限界の下限となる送信機出力は、人類が非意図的に送信しているあらゆる電波信号を上回っているからだ」と、テュセイは説明する。「だが、まもなく完成予定の1平方キロメートル電波干渉計(SKA)のような、より高性能の観測装置を利用できれば、地球外文明が自らの宇宙船と交信している信号を検出可能になる日も近いかもしれない」

総費用22億ドル(約3300億円)のプロジェクトであるSKAは、2つの複雑な大規模電波望遠鏡ネットワークで構成される。南アフリカ・北ケープ州のカルーにある電波パラボラアンテナ197基と豪州・西オーストラリア州の内陸部アウトバックにあるマーチソンのアンテナ13万1072基だ。これにより、2つの大陸にわたる全てのアンテナの集光面積の合計が1平方kmに及び、非常に微弱な電波信号の検出が可能になる見通しだ。

forbes.com 原文

翻訳=河原稔

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事


advertisement