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2024.10.19 09:00

イーロン・マスクが謎の企業「United States of America Inc.」を設立

米ペンシルベニア州バトラーで2024年10月5日に開催されたドナルド・トランプ前大統領の選挙集会で、壇上に上がりジャンプするイーロン・マスク(Anna Moneymaker/Getty Images)

米共和党の大口献金者である起業家のイーロン・マスクが、米国政治への関与をいっそう深める意図をうかがわせる2つの新会社をひそかに設立していたことが、フォーブスの取材で明らかになった。会社の目的は不明だが、社名はすでに広く否定されている陰謀論と一致しており、ドナルド・トランプ前大統領の主張にも沿っている。

10月初めに設立された謎の会社は、2社ともマスクが居住するテキサス州を拠点としており、住所は家族経営の事務所と共有だ。企業名は「United States of America Inc.(アメリカ合衆国株式会社)」と「Group America LLC(グループ・アメリカ合同会社)」で、いずれもこれまで報道されたことはない。

どちらの会社も事業目的に関する情報はほとんどないが、United States of America Inc.は持株会社のようで、唯一の取締役としてイーロン・マスクの名前が記載されており、Group America LLCの業務執行権を有する。一方、Group America LLCの企業情報にマスクの名前はなく、両者のつながりを示すものは、Musk Ventures LLCをはじめマスクが事業遂行に利用しているとされる複数の合同会社が独占的に共有している住所のみだ。マスクの代理人はフォーブスの取材に応じなかった。

この数か月間というもの、マスクは公然とトランプを支持してきた。今月初めにトランプが開いた選挙集会では、壇上で飛び跳ねる姿が話題を呼んだ。現在は激戦州であるペンシルベニア州を遊説し、トランプの応援演説を行っている。トランプに高額献金をしている有力者の1人でもあり、先日公開された連邦選挙委員会(FEC)への提出書類によれば、5月に自ら立ち上げた親トランプ派の特別政治活動委員会(スーパーPAC)「アメリカPAC」に少なくとも7500万ドル(約112億円)を寄付している。

公式にトランプ支持を表明したのは今年7月、トランプの暗殺未遂事件が起きてからで、「タフな候補者」「殉教者」と称賛を送ったが、実際には何年も前から共和党の政治活動に資金援助を行っていたと報じられている。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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