マスクは米国政治に影響力を行使するため、表と裏の両面で尽力してきた。アメリカPACには、投資家のマーク・アンドリーセンや米データ解析大手パランティア共同創業者のジョー・ロンズデールといったシリコンバレーの有力者らの寄付が集まっている。アメリカPACは今、激戦州の有権者に合衆国憲法修正第1条(言論の自由)と修正第2条(銃所持の権利)を支持する誓約書への署名を呼び掛けた人に謝礼金を支払うと申し出ている。
また、ウォールストリート・ジャーナルはマスクがテキサス州の地方検事解任を求める運動を極秘裏に資金援助し、この検事のせいで「オースティン市街が小児性愛者と殺人犯に埋め尽くされている」と主張する広告に資金を提供していたと報じた。
もう1つの可能性として、マスクの新会社は「第2次トランプ政権」に絡んだ何らかの計画によるものではないかとの見方もできる。
トランプは先月、「イーロン・マスクの提案により」政府機関の効率化を担う委員会を新設すると発言。広範な連邦監査を通じて「不正や不適切な支払いを完全に排除する」この委員会の陣頭指揮を執ることにマスクが関心を示したと述べた。これに対し、マスクはXへの投稿で「大いに必要なことだ」と同意し、「Department of Government Efficiency(政府効率化省)」ともツイートしている。これは、頭文字を縦読みにするとマスクが推す暗号通貨ドージコインのティッカーシンボル「DOGE」になる。
(forbes.com 原文)