米国生まれの労働力人口は先細り
NFAPの分析によると、米国生まれの労働力人口は2052年に1億4670万人でピークを迎える。この数字は2024年比で8%増にとどまる。2052年以降は米国の労働者で増えるのは移民だけだ。今世紀半ばを迎える前から米国では米国生まれの25〜54歳の数が伸び悩むことが見込まれている。米国生まれの人口と、この働き盛りの年齢の米国生まれの人口は2042年にピークを迎える。
消費者と納税者が代償を払うことに
ダラス地区連銀の報告書では最近の移民の増加についても言及し、移民の数を以前のように抑制すると、米国は従来の経済成長の水準を維持することができなくなると述べている。「季節でいうと、米国の人口動態は秋で、この後、冬がやってくる」と結論づけている。暮らしの中で労働者不足はさまざまな形で現れる。メリーランド州プリンスジョージズ郡では、バス運転手の不足により児童らの朝のピックアップは45分以上遅れているとワシントン・ポストは報じた。「あちこちでバスの運転手が不足しているのは知っている」とある親は同紙に語った。「バスが少し遅れるのと、バスが来ない、あるいは手配すらされないというのはまったく別のことだ」
在宅療養の介助者がいない地域では、高齢者は老人ホームで暮らす可能性が高くなる。ウォールストリート・ジャーナルは、電気技師や配管工がいない場合、マイホーム所有者は改築やリフォームで何カ月も何年も待たされることになると指摘。またCNNによると、薬剤師が不足しているため、薬局は営業時間を制限している。十分な医師や看護師がいなければ、人々は若死したり、入院中に感染症に苦しんだりするかもしれない。
「消費者は労働力不足の代償として、営業時間の短縮や価格の上昇など標準以下のサービスを受けている」とNFAPは分析する。「移民や短期就労ビザによって労働者の供給を増やすことは不法な移民の抑制や労働者の増加、米国人の日常生活の向上につながる」としている。
(forbes.com 原文)