ネトフリの「白と黒のスプーン~料理階級戦争~」ヒットでわかった日本の漫画の影響

kazuma seki / Getty Images

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欧米では「銀の匙をくわえて生まれてくる(be born with a silver spoon in his/her mouth)」子どもは、幸運をつかむと言われる。
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その言葉から、いつのまにか韓国では「銀の匙」は裕福の象徴となり、銀より高い「金の匙」を大金持ち、「銀の匙」を金持ちもしくは中流家庭、そして「銅の匙」を庶民だとしてきた。

しかし、銅(ドン)の発音が、強く発音すると糞(トン)に聴こえるため、「土(フッ)の匙」と呼んだ。「土の匙」では何も掬うことなどできず、まったく使い物にならないが、土に這いつくばって生きるという意味も含まれるのだろう。

そして、上には上がいるもので、財閥のような人たちは「ダイアモンドの匙」と呼ばれている。

100人の料理人のサバイバル番組

さて、そんな韓国の「匙(スプーン)」でのクラス分けを上手く取り入れて、ネットフリックスで面白い番組が配信された。
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タイトルは「白と黒のスプーン~料理階級戦争〜」である。このタイトルは、韓国人であればピンとくるが、スプーンの「色」は階級を示していて、韓国語では「黒(フッ)」と「土(フッ)」は同じ発音なので、つまり「黒」のほうが下の階級なのである。

タイトルのような「戦争」ではないものの、サバイバル形式の料理番組であり、韓国でいま人気のある料理人100人を対戦させるというものなのだ。

番組では、白の料理人が20名、黒の料理人が80名登場するが、まずは黒の料理人同士で競わせ、審査員が選考して残した20名だけが、白の料理人と対決できる。

白の料理人は、すでにさまざまなコンテストで入賞していたり、顔が知られたりしているセレブなシェフたちである。他の番組であれば、審査員をしてもおかしくないシェフたちがずらりと顔を並べている。

黒の料理人も、ほとんどが巷で人気店を営むオーナーシェフだったり、腕の立つ料理人だったりする。たまに、ふざけたような被り物をしていたり、コスプレをしていたりするシェフもいた。白の料理人と比べて顔が知られてないだけなのに、番組では名前も出せず、ニックネーム(例えば「鉄カバン料理人」とか「トリプルスター」など)で呼ばれる。

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文=アン・ヨンヒ

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