アート

2024.10.25 13:15

5万人が来場した3回目MYAF、エキシビションが見せた「NEW ERA」とは

MEET YOUR ART FESTIVAL 2024

avexが主催するアートとカルチャーの祭典「MEET YOUR ART FESTIVAL(MYAF)」が、10月11日〜14日まで、天王洲エリアの7会場で開催された。2022年にはじまったこのイベントは今回で3回目。150名以上のアーティストが参加した今年、主催者によると4日間で5万人が来場したという。

これまで掲げてきた「国内最大級のアートとカルチャーの祭典」から「アジア最大級のアートとカルチャーの祭典」への深化を目指すという今年のテーマは「NEW ERA」。寺田倉庫のG1ビルで開催されたエキシビション「SSS: Super Spectrum Specification」と2つのアートフェアを軸に、マーケット、ライブパフォーマンスやトークセッションなどが連日開催された。

この記事ではエキシビションについて主にレポートする。
エキシビション「SSS: Super Spectrum Specification」のエントランス

エキシビション「SSS: Super Spectrum Specification」のエントランス

これまでのMYAFでもエキシビションが軸に置かれ、そのディレクション、キュレーションは数多くのアートプロジェクトを手がけるNYAWの山峰潤也氏が担ってきたが、今回山峰氏は、次世代にバトンを渡すと宣言。監修という関わり方になり、吉田山氏を中心に堤拓也氏、呉宮百合香氏の3名がキュレーターとして展覧会を企画した。この部分から今回のテーマ「NEW ERA」とのシンクロを感じ取れる。

日本に留まらず、アジア出身のアーティストも含め20名弱の作家の作品が展示されているが、「2024年における新時代のアーティストだけを選んだわけではない」という吉田山氏の言葉の通り、若手作家だけではなく年齢もさまざまで、1990年代のものから今回のために作られたものまで、時代時代で「新時代」を表現してきた作品が展示された。
EXPO’70 OSAKA みどり館アーカイブ

EXPO’70 OSAKA みどり館アーカイブ

今回の作品群のある種のルーツとして、1970年の大阪万博のブース「みどり館」の展示を振り返るエリアが入口付近に設置されていた。脚本を谷川俊太郎、音楽を黛敏郎が手がけ、暗黒舞踏の創始者としても知られる舞踏家・土方巽が出演した映画『アストロラマ』が上映された様子が展示されているのだが、このような万博という都市における新時代の発露が企画の軸になっている。

吉田山氏によると、今回の展示でパフォーマンスアートに重きが置かれているのも『アストロラマ』からのインスピレーションであり、パフォーミングアーツに関わる研究もしている呉宮氏がこの部分を主に担った。また、アジアのアーティストも加えたいということで、その分野に強い堤氏もチームに加わったというのが今回の3名でキュレーションを手掛けた経緯だという。
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文=山本憲資 写真=MEET YOUR ART FESTIVAL 2024

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