10月15日にロサンゼルスの連邦裁判所に提出された訴訟は、カリフォルニア州の沿岸委員会がマスクに対する「露骨な政治的差別」を行ったと訴えている。同委員会は先週、ヴァンデンバーグ宇宙軍基地でのスペースXの打ち上げ回数を年間36回から50回に増やすための空軍からの提案を否決していた。
スペースXは、同委員会がマスクの政治的見解や発言を理由に「会社を罰すること」が、権限を超えた行為だと主張している。同委員会の委員らは、マスクが「積極的に大統領選に介入していること」や、SNS上で陰謀論を広めていることなどの「懸念すべき報道」があることを憂慮していたとロサンゼルス・タイムズ紙は報じていた。
空軍基地の作戦副司令官であるブライアン・タイタス大佐は、スペースXの打ち上げが軍に利益をもたらすため、連邦政府の活動として検討すべきだと以前主張していたが、委員らは、スペースXの打ち上げは主にスターリンクの衛星の打ち上げのためのものだとして、この主張に反論したとタイムズ紙は報じていた。
スペースXは、同委員会が打ち上げプログラムに対する権限を持たないとする裁判所命令を求めている。
同委員のグレッチェン・ニューサム委員は「イーロン・マスクは政治的な嘘をまき散らし、ハリケーンの被災者に無償でスターリンクのアクセスを提供したいという主張をしながらFEMA(緊急事態管理庁)を攻撃している」と会議で発言したと報じられている。
ブルームバーグによると、連邦政府はカリフォルニア州の議員によって任命された同委員会の決定にもかかわらず、打ち上げを進める可能性があるという。空軍は、そうなるかどうかを予測するのは「時期尚早だ」と述べている。
カリフォルニア州の沿岸委員会は、州内の土地と水の使用を監督する12人から成る機関で、今年に入ってからスペースXの打ち上げ回数を増やす許可について何度も議論してきた。スペースXは、2013年以来、カリフォルニア州ロンポクにある基地からファルコン9ロケットを打ち上げており、今年4月には年間の打ち上げ回数を12回から36回に増やすよう同委員会に要請していた。
タイムズ紙によると、基地周辺の住民は、騒音や家が揺れるなどの打ち上げの影響に懸念を示しているという。
(forbes.com 原文)