宇宙

2024.10.17 11:30

太陽活動が「極大期」入り、長引く見通し オーロラも頻発 NASAなど発表

米ウィスコンシン州で2024年10月10日に撮影されたオーロラ(Ross Harried/NurPhoto via Getty Images)

米ウィスコンシン州で2024年10月10日に撮影されたオーロラ(Ross Harried/NurPhoto via Getty Images)

米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)が共催する国際専門家グループ「太陽活動第25周期予測パネル(Solar Cycle 25 Prediction Panel)」によると、太陽の活動は「極大期」に入った。今後少なくとも1年間はこの状態が続く見通しだ。
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これは、今月10日~11日に世界各地で観測されたオーロラを発生させた強度「G4」の磁気嵐や、今年5月10日~11日に20年ぶりに地球に到達した最大強度「G5」の磁気嵐のような、非常に強力な磁気嵐が頻発する可能性が高いことを示唆している。5月の磁気嵐は500年ぶりともいわれる壮大かつ広範囲のオーロラを引き起こしたが、こうした低緯度でオーロラが観測できる機会も増えそうだ。

予測パネル共同議長で米独立研究開発機関サウスウエスト・リサーチ・インスティテュート(SwRI)主任研究員のリサ・アプトンは15日、電話記者会見で「われわれが現在経験していることを鑑みるに、太陽は活動周期の極大期に入っているとみられる」と発表。強力な磁気嵐が繰り返し発生していることについて、「太陽周期のどの段階でも可能性はあるが、極大期には頻度が高まる」「この極大期は少なくとも今後半年~1年続き、もう少し長くなる可能性もあるとみている。この期間中は、激しい磁気嵐の発生確率が確実に上がる」と説明した。

NASAの太陽観測衛星SDO(Solar Dynamics Observatory)が撮影した、太陽活動極小期(左、2019年12月)と極大期(右、2024年8月)の太陽の比較画像(NASA/SDO)

NASAの太陽観測衛星SDO(Solar Dynamics Observatory)が撮影した、太陽活動極小期(左、2019年12月)と極大期(右、2024年8月)の太陽の比較画像(NASA/SDO)

大規模な太陽嵐が相次ぐ可能性

強力な磁気嵐は、オーロラを出現させる。太陽から放出される荷電粒子の流れである太陽風が地球の磁気圏と衝突し、地磁気に沿って加速して北極や南極から大気圏へと降り込んで、楕円形に広がる緑色と赤色の光の帯(オーロラオーバル)を生じさせる。太陽の磁気活動が最も活発になる太陽活動極大期には、大規模な磁気嵐が発生する可能性が高くなる。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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