バイデン政権がガザやその周辺での戦争に対する支援を続けていることに対しては、米国内で現に反対運動も続いている。最も顕著なのは学生による停戦運動だ。この運動は、大学が掲げている言論の自由と裏腹に学長らによる権威主義的な弾圧が相次ぐなかでも、全力で進められている。
米議会でも少数の議員が抗議の声を上げ、この戦争に対する米国の関与を改めさせようとしている。最近ではバーニー・サンダース上院議員(無所属、バーモント州選出)が数人の同僚議員とともに、イスラエルへの200億ドル(約3兆円)相当の新たな武器供与の阻止をめざす決議案を提出している。
より長期的には、米国はいまの道を進み続ければ、自国の信用や影響力を今後何年にもわたってみずから傷つけることになるだろう。ガザでの戦争を支援している国の高官が、どうして真顔で「ルールに基づく国際秩序」について語れるというのか。そのような国が、なぜ他国に対して組織的な人権侵害をやめるよう圧力をかけられるのか。
筆者のみるところ、米国は歴史的な転換点に立っている。今世紀、武力、あるいは武力による威嚇が悲惨な失敗を重ねているにもかかわらず、なおそうした手段によって影響力を保持しようとする、破壊的で混乱を引き起こす大国への道を突き進むのか。それとも、もっと建設的でしっかりした立場へとかじを切り、ほかの国々や人々と関係を築く手立てを見直し、本当に必要な場合にのみ武力や武器供与に頼る、より協調的な外交政策を採用できるか。
後者の方向に転換できなければ、世界の大国としての米国の衰退はさらに早まり、国内外に重大な悪影響をもたらすことになるだろう。
(forbes.com 原文)