10月10日から13日にかけて米国アリゾナ州スコッツデールで開催されたバレット・ジャクソン・オークションで、このクルマに最も高い金額を入札した匿名の人物にキーを手渡しするために、ヘイガーは飛行機で自ら現地に飛んだ。今回の落札価格は、2022年8月にブロードアロー・グループのオークションで販売されたラ フェラーリの落札価格391万ドルを上回り、オークションで売買された2015年製のラ フェラーリとしては史上最高額を記録した。
バレット・ジャクソンのクレイグ・ジャクソンCEOは「私の友人であるサミー・ヘイガーのすばらしいラ フェラーリを販売できたことを光栄に思い、興奮しています。このクルマに良い住処を見つけられることは疑いありませんでした。クルマが販売された後、サミーと新しいオーナーは交流を持ちました。それはとても良いことだと思います。私たちはこのラ フェラーリに良いオーナーを見つけることができました」。
サミー・ヘイガーは、ソロミュージシャンとして発表した初期の楽曲『I Can't Drive 55』(邦題は「非情のハイウェイ55号」だが、原題の意味は「俺は時速55マイルでは運転できない」)」や『Your Love Is Driving Me Crazy(ドライヴィング・ミー・クレイジー)』から、ヴァン・ヘイレン在籍時の『Why Can't This Be Love?(ホワイ・キャント・ディス・ビー・ラヴ)』、『When It's Love(ホエン・イッツ・ラヴ)』『Poundcake(パウンドケーキ)』などを熱唱した80〜90年代の全盛期を含め、常に精力的なギタリスト/シンガーとして活動を続けている。彼が所有する多くのクルマは、スピードを好む人生が反映されている。
だが、「レッド・ロッカー」の異名で知られるヘイガーも77歳になり、常に時間を意識するようになった。
「もう、今の俺には過剰なクルマだ」とヘイガーは電話によるインタビューで語り、ラ フェラーリを売るべきだと思った理由を説明した。「ガレージに置いておくだけでは気の毒だ。クルマにとって良いことじゃない」。