「クリーム色だ」と彼は語った。「クリーム色とブラックの組み合わせで、俺はこれをカプチーノと呼んでいる。最初はカーボンファイバー仕上げにしようと思っていた。その部分をルートビアのような他の色にしようと思っていたんだ。クリーム色とルートビア色を組み合わせて、ルートビアフロートにしようと思っていた。でもそれから心配になった。ルートビアは、そう、ちょっと派手すぎるかもしれない、飽きるかもしれないと思ったんだ」
「俺は人生でとてもたくさんのクルマを所有してきた。そうだな、50〜60台のクルマを所有してきたし、フェラーリも25〜30台くらいあった。そうすると後から学ぶことがある。あの色は古臭く感じるようになるとかね。そして俺はレッド・ロッカーだから、赤いものは何でも持っているし、もう十分持っている。わかるだろう?」
フェラーリを購入する人が最高のカラーリングを選ぶためには「工場に行ってデザイナーと話し合い、内装のステッチに至るまで、あるゆる箇所の色を徹底的に選ばなければならない」とヘイガーは言う。「彼らは『ここはどうしますか?』と尋ねてくる。『ああ、どうしよう決められない』と言うと、誰かが助けてくれる。俺は丸一日そんなことをやった。そして次の日、電話をかけてルートビアを変更することにした。変更したのはそれだけだったが、彼らはフルサイズのスクリーンを備えたシアターのような部屋を持っており、そこで実物大のクルマを見ることができる。コンピューターを操作する人がいて、なんでも言ったとおりにデザインしたクルマの画像を見せてくれるんだ」
ヘイガーはラ フェラーリを恋しくならないだろうか?
「いま所有している67年式コルベットやポルシェ・ボクスター、旧いデイトナを運転するほうが楽しい」とヘイガーは言う。「わかるだろう、それらのクルマは350〜400馬力くらいだ。コーナーを回ってアクセルを踏み込むと、ちょっとした悪ふざけが楽しめる。ラ フェラーリで同じようにコーナーを回ってアクセルを踏み込んだら、どこへ行ってしまうかわからない。そうだろ?」
(forbes.com 原文)