FullyRampedのビジネスアイデアはCEOのアーロン・マークスが思いつき、今年初めに創業した。創業する前、マークスは急成長中の企業で持続的な成長へと導く役割を担うグロースマネジャーを務めていたが、ある問題に突き当たった。「新人の営業担当者が戦力となるまで利益につながらない期間があるという、不可避と思われる課題に直面した」とマークスは説明する。「この期間、新人の営業担当者は電話応対のスキルを身につけ、ターゲット顧客に精通し、市場進出(GTM)戦術を実行する練習をする必要があった」
自然言語処理(NLP)の技術を専門とするマークスは、この問題を解決するためにエンジニアリングに目を向けた。FullyRampedは、採用されたばかりの営業担当者がターゲット顧客に営業をかける前にトレーニングしてテクニックを磨くことができるリアルタイムのAIソリューションを提供している。営業担当者がAIに電話をかけると、AIは営業トークにリアルタイムで応える。
「こうすることでトレーニング中の営業担当者は、実際の場面で失敗することなく、さまざまなペルソナを相手に売り込みや反論の処理の練習をすることができる」とマークスは説明する。「FullyRampedでは基本的に、マネジャーやチームメイトの都合に縛られず、好きなだけ練習することができる」
自社のテクノロジーは新人の営業担当者が上司に時間を割いてもらうことなく、より早く事業内容に精通するのに役立つとFullyRampedは考えている。従来よりも短い時間で実際の顧客を相手に仕事を始める準備ができ、仕事が実際にスタートすればうまくやれるはずだという。
FullyRampedのテクノロジーは最新の大規模言語モデルと、過去1年間のAIの急速な進歩によるところが大きい。非常に低いレイテンシー、つまり顧客役のAIが営業担当者の売り込みにすぐさま反応するというのは1年前でも不可能だった、とマークスは考えている。
「顧客からのフィードバックでは、新人の営業担当者の生産性が向上するまでの時間が大幅に短縮されている」とマークスは話す。「入社して間もない営業担当者は好きなときに練習でき、それを楽しんでいるようだ。これは重要なことだ」
FullyRampedは現在、有料顧客をいくつか抱えており、主なビジネスモデルはユーザー数に応じて課金するというものだ。マークスは事業が今後加速すると確信している。新たな投資家の支援によって、FullyRampedは営業活動を展開することが可能になるからだ。