また、第3の理由として、無人機が平壌上空に進入した事実に、北朝鮮当局が強い脅威を感じていることが挙げられる。移動する人間を狙う場合、無人機のように24時間体制で監視できる手段が必要になる。北朝鮮が主張する通りであれば、1週間に計3度も無人機の平壌進入を許したことになる。常に暗殺の不安におびえる金正恩氏としても、たまったものではないだろう。
朝鮮中央通信によれば、金正恩氏は14日、国防および安全分野に関する協議会を招集し、「国の主権と安全保障の利益を守るための戦争抑止力の稼働と自衛権の行使で堅持すべき重大な課題」を明らかにしたという。北朝鮮は決して自殺行為はしない国だが、それは体制を守ることが最重要課題だからだ。守るべき体制が混乱に陥れば、不測の事態も起きかねない。金与正氏は15日、「韓国の軍部ごろつきが朝鮮の首都上空を侵犯する敵対的主権侵害挑発行為の主犯であるという明白な証拠を確保した」「挑発者は甚だしい代価を払うことになるだろう」と警告する談話を発表した。韓国政府・軍は、無人機の進入を巡る詳細については沈黙を守っている。韓国側も緊張を強いられる事態になっているということだろう。
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