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2024.10.18 16:45

雪国生まれの除雪ドローン、玄関から道路までを積もらせない

プレスリリースより

プレスリリースより

やってもやってもキリがない雪掻きほど過酷な作業はないだろう。それこそロボットにお願いしたい仕事だ。そこで登場したのが「除雪ドローン」。水上ドローンの開発で高度な技術を培ったエバーブルーテクノロジーズが、北海道の豪雪地帯を拠点とする六花重工と共同開発し、先行予約を開始した。

エバーブルーテクノロジーズは、これまでに風の力だけで長期間自律的に航行できるドローン帆船やジェット水流で浅瀬も推進できる自律型ボートを開発し、国土交通省の「スマートアイランド推進実証調査業務」に関連する実証実験などを重ねてたが、そのコアとなる自動操船技術を陸上での社会課題に生かすべく、除雪ドローンの開発に着手した。

同社の除雪ドローンは比較的小型で、自治体による除雪の対象外となる自宅前の玄関から道路まで、または公共施設の駐車場などでの使用を想定している。また、積もってから除雪するのではなく、雪が降り出したらすぐに稼動して、雪が積もらない状態をキープするというコンセプトで作られている。
除雪ドローンVシリーズの試作機。

除雪ドローンVシリーズの試作機。

現在は、2026年に発売を予定している自動運転型のVシリーズと、2025年1月に発売が決まったFシリーズとを並行して開発を行なっている。Vシリーズはスズキの電動モビリティーベースユニットを採用して試作車が作られているが、Fシリーズは独自技術による高度な走行性能を誇る。

Fシリーズは豪雪地帯の北海道滝川市で重機やロケットの開発を行う六花重工との共同開発によるもので、雪を知り尽くした技術者の手によって実用的なマシンに仕上がっている。たとえば、駆動系はクローラーよりも機動性のいい4輪車とし、独立4モーターAWD式なので、その場での回転など小回りが利く。またシャシーの中央が回転して、常に4輪が接地し安定する「ローリング・リジッド・フレーム」という特許出願済みの技術も導入されている。
ローリング・リジッド・フレームで不整地を走行する除雪ドローンFシリーズ。

ローリング・リジッド・フレームで不整地を走行する除雪ドローンFシリーズ。

2025年1月に発売される段階では、FシリーズはAndroid対応の専用コントローラーによる遠隔操縦式となる。6月には自動除雪アップグレードユニットが追加される予定だ。それでも、暖かい部屋に居ながらにして除雪ができるのだから大助かりだろう。電動式なので、深夜でも騒音を気にせず運用できる。1時間あたりの作業面積は約500平方メートル。1回の充電で3時間稼動できる。充電時間は家庭用コンセントで6時間から8時間。

現在は先行予約を受け付けている。通常価格はブレード付きモデルが98万円(税別、送料別)。先行予約特別価格でブレード付きモデルが88万円(税別、送料別)となっている。雪のない時期には超小型建設機械としての活用も可能ということで、100万円を切る価格はお得かもしれない。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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