過去に多くの世界的デザイナーを輩出、国内デザイン文化の発展に寄与してきた「場」は、ジャンルを超えたクリエイターが集まり、現代のデザインを思考する機会としてアップデート。海外の有力なデザインメディア「dezeen」のエディトリアルディレクターや「Sight Unseen」の共同創刊者、世界を舞台に活動するアーティストを招き入れるなど、ディレクター陣も新たな世代へと刷新された。
重点が置かれるのは、商業が優先されたデザインではなく、デザイナーのクリエイティビティを重視した作品の展示だ。すでにある大きな流れではなく、個々のクリエーションが生む小さな揺らぎが、新しい潮流(TIDE)を生み出すのではないか。そんな現代の社会、デザイン環境への挑戦にも映る。
「デザインとは何か」 を改めて考える
「DESIGNTIDE TOKYO 2024」は大きく4つのコンテンツで構成される。中核となる「出展者展示」では、公募審査と推薦により集められた国内外33組のデザイナー、アーティストが作品を展示。各出展者を軸に、その周囲のコミュニティ、業界、そして来場者との交流が生まれる場を目指す。「企画展示」では、気鋭の若手デザイナー/アーティストである太田琢人をキュレーターに迎え、国籍、ジャンルを越境した約10名の次世代作家がデザインの先にある可能性を表現。
そのほか、ジャンルを問わずさまざまな人が意見交換を行う公開収録型の「トークプログラム」や、出展者の過去作品などを購入できる「マーケット」も展開。見て、聞いて、触れて、考えて、来場者それぞれが、「デザインとは何か」を考える機会となる。