海外

2024.10.14 11:00

衛星コンステレーションで宇宙太陽光発電を実現へ ロビンフッド共同創業者が新会社設立

米フィンテック企業ロビンフッドの共同創業者、バイジュ・バット(Steve Jennings/Getty Images for TechCrunch)

安価で拡張性の高いAetherfluxのアプローチ

こうしたプロジェクトの大半は、軌道上に設けるべきインフラの規模が大きいため長期計画にならざるを得ない。これに対し、Aetherfluxのアプローチは競合他社と一線を画し、より拡張性が高いとバットは主張する。同社は、地表への送電にマイクロ波ではなく赤外線レーザーを使用する計画だ。
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この方式の大きなメリットは、設置コストの高い大型衛星や太陽光発電アレイの代わりに、安価な小型衛星を利用できる点にある。これにより開発サイクルの短縮と規模拡大が容易になり、打ち上げコストも削減できる。

地上の占有面積も少なくて済む。マイクロ波送電には、サッカー場かそれ以上の広さの受信設備が必要となる。一方、赤外線レーザーの受信機はずっと小型で、バットによれば直径10m以下、つまり米国の住宅の庭によくあるプール程度の面積があれば足りるという。

Aetherfluxの機敏な小型衛星は、90分で地球を1周するよう設計されている。このうち45分間は太陽光の照射を受けられないが、ソーラーパネルで充電したバッテリーから電力を継続供給できる。これはスペースXがスターリンクで採用した方式と同様だ。1990年代から採用されてきた大型で高価な通信用静止衛星に代わり、スターリンクでは低軌道上を周回する安価な無数の小型衛星を用いている。
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バットはAetherfluxのもう1つの強みとして、プロジェクトの実現に何らかの画期的な技術革新を必要としない点を挙げた。既存のツールを活用して問題に立ち向かっているだけだというのだ。たとえば、衛星を一から開発するのではなく、衛星バス製造スタートアップApexの既存製品に独自の発電・送電コンポーネントを取り付けている。

「宇宙人工物のコンステレーション構築も、各種コンポーネントの統合も、地上受信局の設置も、すでにノウハウはわかっている」とバットは述べた。「われわれ独自のモデルは確かにさまざまな複雑性を抱えているが、どれもこれも、それ自体は科学的な難題ではない」
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翻訳・編集=荻原藤緒

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