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経済

2024.10.15 11:30

右肩上がりのペット産業がついに「転換期」に、インフレの影響も

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米国においてペット産業はこの10年間、一貫して成長を続けてきた。新型コロナのパンデミックは他の産業にとっては大打撃となったが、ペット関連の事業は成長が加速した。

今、潮目が変わりつつある。ペット産業ではオンライン販売が伸びている一方で、店舗の収益は減少しつつある。これは注目すべき兆候だ。単にオンライン販売の重要性が高まっているだけでなく、ペット産業の成長がもはや確実なものではなくなっていることを示している。

健康・美容や赤ちゃん関連、アルコールといった他の業界の店舗販売の成長はペット産業を上回っている。

打撃を最も受けているのは、必需品ではなく消費者が自分で判断し購入できる商品だ。ペットのおもちゃや高価格のウェットタイプのドッグフードなどは現在、最も販売が減っている。

なぜこのタイミングか

他の分野同様、消費者はペット関連商品のインフレを受けている。セールや割引、バーゲン、一括購入で出費をなるべく抑えようとしている。消費者はペットを愛すると同時に、経済やインフレ、雇用の安定を心配している。

ペット産業はパンデミックの間に爆発的に成長したが、この期間にペットを飼い始めた人は新型コロナが落ち着いてから後悔し始め、多くの人にとってペットにかかる費用が負担になった。そのため、ペット関連商品を扱う企業は値上げや消費者に新製品を試してもらうことが難しくなり、ペットのおもちゃや高価格のドッグフードは消費者を以前ほどひきつけなくなった。

チャンスはまだある

こうした変化は、ペット産業が成長する機会がなくなったことを意味するものではない。

ペット産業において現在、最も成長する可能性を秘めているのは生、冷凍、フリーズドライの高価格帯のドッグフードだ。

フリーズドライのタイプは、食事としてまたはトッピングとして使用される。また、保冷不要ながら非常に高品質のタンパク質を含んでいるため、旅行や特に遠隔地で仕事をする場合に適している。最も高価な部類に入るため、業界全体の売上増にも貢献している。

高価格帯のペットフードを求める傾向と、バーゲンや割引を活用する傾向がなぜ同時に見られるのかと不思議に思う人もいるかもしれない。

多くの消費者が節約している一方で、そうでない消費者もいる。重要なのは、高所得世帯のペット関連支出が7%近く伸びたことだ。所得が多い世帯に適した商品はよく売れる傾向が続くが、そうではない商品は低迷し、値下げを余儀なくされる。
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翻訳=溝口慈子

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